子狐お別れする。前篇 ページ5
いつものように朝御飯の後、桃太郎は片付けを始め、白澤はテーブルで食後のお茶をすすっていた。
窓の外を見れば、Aが狐の姿で薬剤師見習いのうさぎ達を追いかけまわして遊んでいる。
「すっかり元気になったよね〜」
「硬い食べ物をだいぶ食べれるようになりましたしね。
てか、追い掛け回してるのいいんですか?
狐って確かウサギも食べるって聞いたんですけど…」
ウサギを捕まえてじゃれているAの姿に桃太郎は危惧する。
「食べたりはしないでしょ。あれも遊んでるだけだし」
白澤は外に出て、Aを抱きかかえてもがいていたウサギを助ける。
「うさぎさん達困ってるだろ。めっ」
うさぎも一撫でしてAを抱えたまま白澤は店の中へ戻ってきた。
「まだ耳と尻尾は残ってるけど人型になれる時間も長くなったし、そろそろあいつの所に返さないとね」
Aを撫でながらそう言った白澤の言葉に桃太郎は「え…」と言葉をもらす。
「だって、あの鬼に返す約束だろ」
「そう…でしたよね。あはは。忘れてました」
桃太郎は笑って洗い終わった食器を片付ける。
白澤の膝の上にボフンッと煙が舞い、人型になったAが現れる。
「ほおずきさま?」
「そうだよ。鬼灯と暮らすんだよ」
「ほおずきさまとくらす」
「そっか〜」
そのやりとりを聞きながら食器をしまい終えた桃太郎は配達ようの薬を籠にいれて、
地獄へと配達に出かけた。
「いつもご苦労様です」
色々なところへ配達を終わらせ、最後に日本の地獄の王である閻魔大王と、鬼灯がいる閻魔殿へと足を運んだ桃太郎は無事に鬼灯に薬を引き換えに代金をもらい、次の配達の注文を受け…
「じゃあ、4日後にお願いします」
「はい。…あの」
桃太郎は意を決したように声をかける。
「どうしました?」
「実はA、硬いものも食べれるようになったんですよ。
まだ完全な人間の形には無理ですけど、人型に化けれる時間も長くなったし…」
「Aちゃんって鬼灯くんが拾ってきた子狐ちゃんだろ?」
そう声をかけたのは閻魔大王。体は大きくて怖そうなイメージだが、
裁判中以外は優しいおじさんである。
「ワシ、一度会ってみたかったんだよね。今度つれて遊びにおいでよ」
「仕事は休めませんよ」
「うっ…わかってるよ…」
「健康面も申し分ないから、そろそろ鬼灯さんにお返しすると白澤様が言ってました。
失礼します。」
そう言って桃太郎は閻魔殿を後にした。
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moo(プロフ) - とにかく可愛くて面白かったです!銀魂コラボも最高でした! (7月30日 2時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - しあ。さん» テンションがエグくなってしまいましたか(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 霊夢どうふさん» 一体どんな対応を受けるんでしょうかね(笑)タジタジしてそう (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 埴輪さん» 拍手をもらえるなんて!嬉しいです! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 銀桜九尾さん» 銀魂人気ですね(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2017年12月2日 16時