【鬼灯の冷徹】子狐こんこん

迷子への対応がわからねえ！！その弐・コラボ番外編 ページ36

逃げ切れたのを確認して、Aは人型へと戻り、

木の影から同じような服を着て行きかう人間達の様子を見る。


すると、目の前をふわりと白衣がなびいた。









「はくたくさ…」

走って白衣を掴んだAは名前を呼びかけて、途中でやめた。


「え…誰…？」

完全な人違いであったから。









銀魂高校の教師、銀八は職員室の自分の机の上で頭を抱えていた。

目の前には狐？らしき尻尾と耳をつけている少女が椅子に座っている。


「本当にお前の隠し子じゃないのかい？」

理事長であるお登勢の言葉に勢いよく顔を向ける。


「そんなヘマした覚えねぇよ！！……たぶん」

「まあ、恐らく迷子だろうな。警察に連絡しておく」

月詠の提案に銀八は「だよな」と返す。

そんな三人の所へ、日本史の教師である全蔵がやってくる。

「聞いてくれよ〜さっき、狐見ちゃってさ〜」

「そうか。俺は狐に扮した迷子見ちゃったよ」

「あ。本当だ。今ハロウィンだっけ？」


そこへ鳴る次の授業を知らせるチャイム。

銀八は「あ〜だり〜」と立ち上がる。

「あとよろしくな」

と月詠に声をかけて職員室を出て行った。


「じゃあ警察に連絡…」

月詠とお登勢はAの方を向くが、そこにAの姿はない。









Z組の担任である銀八は生徒達がギャーギャーと暴れて騒ぐ教室の中へと入り、飛んでくる教科書、凶器を避けて、

飛びついてくるストーカー女生徒をぶっ飛ばして教卓につく。


「はいっ席に着け思春期共ー！！！」

という声に反応した生徒達はぞろぞろと自分達の席へと着いた。


「起立。礼」

学級委員の合図で「おねがいしまーす」と挨拶をし、「着席」という合図で再び席につく。


「じゃあ授業を始めまーす」

そこへ「はい」と男子生徒が手を上げた。


「なんだよ沖田」

「いや、せんせーはいつ所帯持ちになったのかと気になって」

「は？」


銀八が足元を見るとAが銀八を見上げていた。




「可愛い〜」

「ちいさ〜い」


Aは女子生徒に囲まれてちやほや。

お登勢に相談した銀八だが、

「お前に懐いてるんだろ。警察も謎の深い穴の調査で忙しくてまだ来れないみたいだから、

　しばらくそのまま面倒見ておやり」

と言われる始末。


「本当に銀ちゃんの種から出来たんじゃないアルカ？」

その中の女子生徒である神楽は銀八にそう質問する。


「おい神楽。女の子がそんなこと言いません。そして俺の種では出来てません。たぶん」

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