子狐花街へ行く。 ページ22
茄子達の気配を探して彷徨うAは合流するどころか、どんどん知らない所へとついて行く。
街は夜を提灯や店や看板の光で鮮やかに光る。
道は綺麗な女性や男達が行き通っていた。
「なすちゃんいない…」
先ほどの店に戻ろうにも戻る道すら忘れてしまい、涙が浮かんでくる。
「あーあーあー。うちの店の前で泣くんじゃない。お客さんが来んじゃろ」
と着物に帽子を身につけ、煙管を持った男は困ったように声をかける。
「どこの店の子かのぉ。姐さんらのおつかいで帰り道がわからんくなったんか？」
Aはその男をじっと見て、
「Aとおなじ？」
と質問をした。
「ワシも狐って意味ってことかの？」
「うん」
「ここの店の従業員は皆狐じゃ」
「みんなAとおなじ？
「そう」
「檎、何しているの」
すると、Aが今朝みた綺麗な女性が店の中から出てくる。
「いつの間に子供なんてできたの？」
「違いますよ。なんか迷子みたいでして」
「冗談よ。貴女、朝に白澤様の所で会ったわね」
女性はAに優しく微笑む。
「白澤の旦那の所の子ですか。そういえば、最近隠し子がいるって噂は本当じゃったのか」
「鬼灯様が拾ってきて、お世話したら懐かれたから引き取ったみたい」
女性はAの頭を撫でる。
「妲己よ。妲己姐さんって呼んでね。よろしくね子狐ちゃん。
白澤様に連絡するから、それまでよろしくね檎」
「えっ……」
「さっきのひとは？」
「あの人か？あの人はのー。九尾と言ってすごい妖怪なんじゃ。
頭の良さとその美貌で国を動かすくらい」
檎とAは店の前の椅子に座ってお話。
「すごいね。Aもきゅうびなれる？」
「うーん。どうなんかのぉ
修行次第じゃないかの」
「がんばればなれる？」
「あんなのになっても良いことないぞ。頭は良いのに詰めの甘さで…」
途中まで言いかけて檎は背筋がゾクリと寒くなった。
「楽しそうね」
妲己の笑顔の檎の血の気は引き、体は震えている。
「白澤様からさっき丁度電話があって、支払いとAちゃんのお迎えに来てくれるって」
「よかったのぉ」
「だっきねえさん、わたしはすごいようこになりますか？」
「え？」
すると、妲己は笑ってAの頭を撫でる。
「天狐ならなれるかもしれないわ」
「てんこ？」
「１０００年の年を経て天に通じて天狐になれるのよ」
「ならそれになります」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moo(プロフ) - とにかく可愛くて面白かったです！銀魂コラボも最高でした！ (7月30日 2時) (
レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - しあ。さん» テンションがエグくなってしまいましたか(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 霊夢どうふさん» 一体どんな対応を受けるんでしょうかね(笑)タジタジしてそう (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 埴輪さん» 拍手をもらえるなんて！嬉しいです！ (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 銀桜九尾さん» 銀魂人気ですね(笑)喜んでもらえて嬉しいです。 (2018年7月22日 23時) (レス) id: 4d9d345d17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2017年12月2日 16時
