孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ44)

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トリセツ四十ページ44

黒尾side

2週間後、森然高校での長期合宿が始まった。
音駒総出で早朝に烏野を迎えに行った。夜中に出発したらしく、全員眠そう。

烏野のチビちゃんは相変わらずだけど。

目の前には研磨と研磨にしがみつくAと烏野のチビちゃん。楽しそう(？)に話してる。

日向「あっ！あれってもしかして東京タワー！？」

研磨「え゛っ…あれは…あれはー…普通の鉄塔…だね…」

黒尾「何なの宮城には鉄塔ないの？あの会話デジャブるんだけど」

澤村「東京にある鉄塔は大体東京タワーに見えるんだよ地方人は！」

菅原「おい暴言。あとここ埼玉な」

俺らがそんな話をしていると、研磨の腕にしがみついてたAが「そうだよ」とチビちゃんに話しかけた。
そして、ビッと違う鉄塔を指さし、

「あれが東京タワーだよ」

とドヤ顔で言った。
それに対してチビちゃんは「そーだったのか！」と感心。研磨はツッコむのを止めていた。

すると澤村がニヤニヤしながら仕返ししてくる。

澤村「何なの、お宅のマネージャーさんは東京に住んでるんじゃないの？」

「東京に住んでても脳みそは時空の彼方に飛ばされました」

菅原「にしても美人だよなぁ、音駒のマネ」

東峰「ホントなぁ」

菅原が感心したように言った。それに便乗する烏野一同。すると脇から海がニコニコしながら口を挟む。

海「気をつけなよ？あんまり見てると彼氏に噛みつかれるかも」

澤村「えっ、やっぱりいるんだ」

菅原「美人なんだから当たり前かぁ」

「お宅のマネちゃんも気をつけないと変な男に捕まるんじゃない？」

澤村「安心しろ、その時は俺らが返り討ちにしてやる」

からかってやると、烏野の3年生と2年生の1部が殺気だつ。いや、怖いわ。只でさえ、人相悪いのに。

目線を前に戻すとリエーフが走ってきた。

灰羽「おーい日向ぁ！身長伸びたかー！？」

研磨「リエーフうるさい」

日向「第一声から失礼な奴！たった2週間で伸びるか！」

灰羽「俺は2㎜伸びたぞ」

日向「ガーン！！」

「翔陽はそのままでいーよ」

日向「あ、ありがとう…？」

灰羽「あーズルい！！また日向ばっかり！」

研磨「リエーフうるさいってば」

灰羽「俺はこのままじゃなくていいんですか！？」

「リエーフは今さら伸びようがどうでもいい」

灰羽「ガーン！！」

「さ、早く行こう。外暑い」

研磨「暑いなら腕にしがみつかないでよね」

そう言いながらも振り払わない研磨。

澤村「相変わらず仲良いなぁ孤爪」

「だろ？」