孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ45)

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トリセツ四十一ページ45

夢主side

翔陽はどのくらい変わったのかな。

幸い、うちの試合は終わったばっかで時間がある。烏野の試合をみよう。

相変わらず、うちの監督たちは烏野に釘付け。

監督「おぉ、A」

「烏野はどう？」

監督「小気味良いぞ！小気味良い程に噛み合ってないがね！」

「…発展途上、ってことね」

見てるとシンクロ攻撃しようとしたりバックゾーンから踏み切ってのリベロのジャンプトスをしようとしたり…

2、3年生も変わろうとしていた。

肝心の翔陽は…？

影山のトス。翔陽の速攻くるか？
そして予想通り、トスは翔陽に…

「っ！？」

ボールは翔陽の頭上をすり抜けた。トスミス？違う。何だ、このトスは…

その新しい速攻は失敗を続けながらも試合中、ずっとやろうとしていた。

「…そうか」

監督「分かったか？お前の嫌いな9番は10番の求めるトスを上げようとしている」

「ん、翔陽が打ちやすいように打点付近でボールの勢いを殺してる」

でも、やろうと思ってできる技じゃない。この2週間であそこまで完成させたのか。とんでもない天才ね…

しかも翔陽も今までとは違う。
噛み合わない速攻でも、慌てずにしっかり処理している。

「凄い……！」

監督「A、うちの試合の時間だぞ」

「嫌、もっと見てたい」

コーチ「敵の視察の前にうちのだろ。
黒尾！連れてけ！」

黒尾「ウィーッス」

もっと見たかったな。
仕方なく鉄郎に引っ張られ、音駒の試合を分析した。

影山飛雄。
独善的な男だと思ってたけど、何か心境の変化があったようね。

2週間前よりも楽しめそう。