孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ43)

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トリセツ三十九ページ43

夢主side

音駒高校に到着して、そのまま外でミーティングを始めた。

「二日間お疲れさま」

「「「した！」」」

「ちなみに明日は監督の計らいで休みにしたから。休息だからね、自主練なんかしないでね」

夜久「絶対すんなよ…殺されんぞ」ﾋｿﾋｿ

「「「う…うス！！」」」

監督「まぁインハイ予選以降休み無しだったからな。明日はゆっくり休みなさい。では解散」

黒尾「お疲れしたァ！！」

「「「したァ！！」」」

ふぅ、疲れた…

早く帰ろうと思い、きょろきょろと鉄郎を探す。…あれ。

「鉄郎は？」

研磨「…さぁ」

夜久「そういえばそそくさと帰っていったぞ」

「…ふーん」

そそくさと、ねぇ…

研磨「俺らも帰ろ」

「…先帰ってて」

「やっぱりここにいた」

黒尾「うぉっ！？」

帰ったふりをして、学校の体育館に戻ると案の定、明かりがついていた。中にはボールを持った鉄郎。

声をかけるとビクッと肩を震わせて、ぎこちない笑みを浮かべた。

黒尾「あー…Aちゃーん…」

「休息って言ったよね？」

黒尾「…すまねぇ、ちょっとやり足りなくて」

「駄目よ。帰ろ」

黒尾「えぇ～、ちょっとくらi((「え？？」ハイ分かりました」

全く…
置いてあった鉄郎のバックを持ってあげる。

「鉄郎はやくー」

黒尾「おう。つーか持たなくていいよ。俺が持つ」

「私のまでいいよ」

自分のバックだけじゃなくて、私のリュックまで取ろうとする。すると鉄郎はニッと笑って私の肩からリュックを取ってしまった。

「ちょっと…自分のくらい持てる」

黒尾「別にいーじゃねぇか」

「なんでよ」

黒尾「そりゃあお前、可愛い恋人だからな」

「！な…」

黒尾「んー？？」

不意打ち食らった。顔が熱い。
ニヤニヤしてる鉄郎がムカつく。絶対反応見て楽しんでる。

「何よ、恋人なんていったってやること今までと対して変わらないじゃないの」

黒尾「…じゃあ恋人っぽいことする？」

鉄郎はパチンと体育館の電気を消して、私を抱き締めた。

黒尾「今日俺んち誰もいないんだけど～来ない？」

「ベタな誘い方…下心見え見え」

黒尾「嫌？嫌なら止める」

「全然」

実は、鉄郎も私も初めてじゃなくて使い捨て。でも勿論、鉄郎とはこんなこと初めてだし、正直こんなにドキドキしてるのは初めてよ。

黒尾「冷静なフリしちゃって～」

「余裕なフリ、ムカつく…早く帰ろ」

鉄郎の体を押しのけて帰った。鉄郎の家に。
その先は…察して。