孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ14)

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トリセツ十三ページ14

黒尾side

Aが変だ。

いきなり叫んで帰ってから、変だ。

俺、何かしたか？いや、したか。

確かに「俺と結婚するか？」的な冗談(いやまぁ冗談でもねぇけど)言ってからかったけど、

それはチャラになったよな？許しを得たよな？

っていうか冗談も、
Aの照れてる顔が可愛いから言っちゃうわけでなぁ、悪気はないんだよ。

いっつもフラフラするし甘えてきたりすっげぇ手がかかるのにさ、
あんな真っ赤になって普段出さない大声まで出して言い訳してさ、

あーーーもうほんっっとかわi((研磨「クロ、惚気に来たなら帰って」

…あー、

今、研磨の部屋にいたんだった。

研磨は俺の横でギロリと睨んでいる。手には新しく買ったというゲームがある。

研磨「っていうかよりによってAとの惚気とかホントにやめて」

「あーね、お前オネーチャン大好きだもn((研磨「え？？」分かった分かった落ち着けそのクッションを下に置け」

うおーーこぇえーー研磨くんこぇーよーーー

研磨は大きなため息をついてからクッションを置いて、ゲームの続きをしだす。

研磨「で、何の用。惚気はやめてよ」

「いやー実は相談したいことg((研磨「恋愛相談もやめて」……」

え、何、研磨くん酷い。

研磨はちらりと横目で俺を見てから呆れ顔をする。

研磨「クロはさ、もっと自意識過剰になってもいいと思うよ」

「…は？どーゆー意味？」

研磨「そのまんま」

相変わらずピコピコとゲームをしている。

言っている意味は分からない。

研磨「俺は、クロが義兄になるなんて嫌だ」

「え、え？何イキナリ。っていうか嫌なのね」

研磨「でもAには、クロしかいないと思ってる」

「！おぉ、お、弟y((研磨「え？？」あーあーごめんなさいホントにごめんなさい」

何だかんだいって研磨は優しいんだよな。ちょっとスッキリした。意味は分かんなかったけど。

でもまぁ、これからインハイ予選。

惚気るのも悩むのも、これが終わってからだな。

それからインハイ予選が行われた。

一次予選は突破したものの、
結果はベスト8に終わった。

そして俺ら3年はこれからの進路を考えると共に、春高のことも考えなければならなくなった。

もちろん春高には出たいと思ってる。夜久も海も。

そのため、休み時間に進路指導の先生に呼ばれることが多くなった。