Trigger 38 ページ38
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「 …一度バレンタインの日にも言ったの。
私、紫原くんがす… 」
無意識に止めていた息が彼の腕によって吹き返される。0距離になった私達を唯一阻むのは、紫原くんの隠された私への気持ち。
前にもこんな風にいきなり抱きしめられたのに、今も前もやっぱり同じように幸せで、つくづく紫原くんには甘いと思ってしまう。
「 …最近Aちんが泣きそうな顔して謝ってるとこしか見てなくて、うざかった 」
「 ごめん、ね 」
「 だから、もう謝るなって言ってんの…! 」
じりじりと刺すような太陽の熱も、きっと私達の今の温度に比べたら過ごしやすいと思う。
紫原くんの胸板を優しく押して顔を見上げると、彼は今まで見たことがないような寂しそうな顔をしていた。
私がさせてしまったんだ。
「 …紫原の何処が好きとか、私沢山理由を付けていたのに蓋をしようとしてた。
でも溢れちゃうのって、私は紫原くんが
『 こうだから好き 』じゃなくて、『 紫原くんだから 』好きなの。
…ずっと、好きです 」
「 …先に言うとかあり得ないんだけど 」
好きな人に好きだという時ほど、恥ずかしくてもどかしい時は無いと思う。
彼ほどマイペースで、好きなものに素直になれない人も少ない。私は、そんな彼が好き。
「 …チョコ貰った時から、なんか、頭から離れなくてうざったくて 」
「 ……気がついたら、好き、みたい 」
きっと私の顔も彼と同じくらい赤い。
せめてもの照れ隠しに、背伸びをして頬にキスをお見舞いした。
紫原くんからは、前とは違う、甘くて世界一幸せなキスがもう一度唇に落とされた。
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琉李(プロフ) - さややんさん» コメントありがとうございます!やっぱりIHとWCの表現分かりにくいですよね(・_・; ご指摘ありがとうございます! (2018年6月25日 22時) (レス) id: b336a701b4 (このIDを非表示/違反報告)
さややん - ところで9話でインターハイとウィンターカップがごちゃ混ぜになってますよ! (2018年6月25日 19時) (レス) id: b8dd9b5a7f (このIDを非表示/違反報告)
さややん - 私もむっくん大好きなんですよ!かっこいいよすぎですよ〜〜! (2018年6月25日 19時) (レス) id: b8dd9b5a7f (このIDを非表示/違反報告)
琉李(プロフ) - hさん» コメントありがとうございます!励みになりした♪更新も頑張っていくので、これからもよろしくお願いします! (2018年3月25日 9時) (レス) id: b336a701b4 (このIDを非表示/違反報告)
h - 初コメです凄く楽しかったですこれからもゆっくりと更新頑張ってください (2018年3月25日 5時) (レス) id: 8a1cd5ab5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琉李 | 作成日時:2018年2月28日 22時