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「なに、負けとるんや。白鳥沢」
『いやぁー、相手が強かったんよ』
確かにそうだ、
烏野高校という強者に負けた。
烏野は決勝戦で青葉城西に負け
”敗北を知った”
それが、練習試合でも決勝でも
あの子たちは敗北というモノを
勝利へと変えた。
それが、たまたまでも偶然でもミラクルでも
あの子たちは努力で
チャンスを掴み取り
それが、勝利というものへ変わった
ただそれだけの事
「!」
『………悔しかったなぁ』
信介は袖の丈で私から溢れ出る涙を
優しく拭いてくれる
勝ちたかった。
勝利という栄光を
強くなりたかった
皆と頂点を取りたかった。
例え、周りから批判されても
罵られても、無理だと言われても
このメンツで、あのメンツで
敗北よりも、勝利を掲げたかった。
例え、困難な壁があっても
みんなで壊して、みんなで成長して
みんなで試行錯誤して、
みんなで築き上げたかった。
『ダメだなぁ。私』
もう、終わったことなのに、
あの日出なかった涙が。
この日に流れるなんて
後輩の前でいきがっていても
先輩の前で強がっていても
同い年の前で成長したふりしても
「……A」
「よーやった。よー、頑張った」
怪我で自分が飛べないと知っても
要らないと宣言されても
1人で頑張ってきたはずだったのになあ
頭のポンポンという
リズムよく一定感覚でくる振動は
心地よかった。
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甘党 - まだ、続いて欲しいなぁ,,, (2021年10月15日 22時) (レス) id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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