【HQ】スマホ壊れたから髪切った

#９ ページ10

「 …あの、瑞原さん 」




『 あー、えっと、く……国見！だよね？どしたの 』




「 覚えててくれたんですねっ 」




『 そりゃあんだけ熱心にアプローチされたら忘れられませんって 』






私がしゃがんで備品の確認をしていると、その隣に寄り添うようにしゃがんできたのは青城の国見だった


国見は前々回に会った時から 好き好き と私にべったりくっついてくる






「 髪、切っちゃったんですね 」




『 うん、そうだね 』




「 可愛い顔がよく見えるので、好きです 」




『 そっかぁ 』




「 ……でも、ちょっと妬けます。さっきも及川さんに絡まれてましたよね 」




『 もうやめてって伝えておいてもらえる？ 』




「 ちょっとそれは無理です 」




『 なんでだよ、もう。……てか、アップとか柔軟とかしておいでよ、試合中に怪我したら嫌でしょ？私も嫌だし 』







ちらりと横目で国見を見ると、国見は国見で頬をほんのり赤くさせて私をガン見していた



心配してくれてるんですか、って




あながち間違いではないけど、とりあえず一旦落ち着け






すると、遠くから岩泉さんの国見を呼ぶ声が聞こえた


それを指摘すると、心底嫌そうな顔をしながら戻って行った





あとで岩泉さんに挨拶しに行かなきゃ







「 Aちゃん、大丈夫？ 」




『 あ、はい！丁度確認終わったので、私もスポドリ作りに参戦しますね！ 』




「 ありがとう。じゃあ行こうか 」






備品の入ったカゴを烏野のベンチに置いてから潔子さんと一緒に、他のマネちゃんズがいる水道へ向かった



手首までをびしょ濡れにさせながらスクイズを振るマネちゃんズに小さく頭を下げた






『 すみません、遅れました 』




「 いいのいいの、私達も今始めたばっかりだし 」




「 そうそう！ね、仁花ちゃん 」




「 はい！ 」






床に置いてあるカゴに入っている空のスクイズに、粉と水を入れて私も全力で振る


あれ、二の腕のたぷたぷが無くなったって話、しましたっけ





ま、いいや






ここでもまた他愛のない話。…主に、各校の問題児の事について話していた






「 最近木兎のしょぼくれモードが多くてさ〜 」



「 赤葦が苦労しまくってて！ 」





とか





「 日向と影山がずっと喧嘩してるんだよね 」



「 時々他の部員さんにも飛び火するから、凄く危ないんですよね 」





とか






そんな話。

#１０→←#８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す