検索窓
今日:2 hit、昨日:36 hit、合計:202,012 hit

+++++ ページ14

.


「まぁ、それはそうとそろそろ帰れ転校生。
時間も遅いからな」

「言われずとも帰るわ!」

「おい」

「なんや!!!」



ズカズカとここを後にしようとする転校生にリクオは話しかけた



「ついてってやろうか。京都に」

「なんでやねん!!」

「………………」



私は、そのリクオの発言に目を細めた
リクオは、少々妖怪を甘く見ている
いや、甘くは見ていないが本当の大妖怪というものを知らない
ぬらりひょんもリクオにはその一面を一度たりも見せたことはないのだろう
いつものあの、おどけたようなところしか



「またな、転校生。だが、少し待て」

「まだなんかあるん!?」

「これは餞別だ。……あの者と……
羽衣狐と戦う運命にある花開院の血を引くお前への」

「え…?」



転校生の頭をまかれた包帯を解くと、そこに手をかざす



「転校生よ。決して死ぬでないぞ。
羽衣狐は強い。だが、死んではならん」

「桜夜さん、羽衣狐知ってはるんか」

「ああ。良く、とは言わんがそれなりにはな。
あれは…私にとっても、羽衣狐というのは因縁の妖怪だからな」

「それ…どういう…」

「さぁ。治ったぞ。京都への帰省…道中気をつけろ」

「…おおきに」



転校生は何故か治った頭を不思議そうに触りながら本家を後にした



「……リクオ」

「?」

「先程の発言…京都に行ってやるというのは、本心か」

「…冗談でんなことは言わねぇよ」

「そうか。ならば私も言おうリクオ。
今のまま京都へ行けばお前は死ぬことになろう」

「は……」



私からそんな事を言われるとは思っていなかったのだろう
リクオはキョトンとしていた



「なっ、お、桜夜…
じゃなくて奥方様!リクオ様になんてことを!!」

「事実を述べているだけだ。
京都…もとい関西にいる妖は古来からいる猛者共だ。
そんな場所に今のお前が行けば数日と持たず息絶えることになろう」

「奥方様!あまりにもそれは…」

「氷麗、貴様も行ったことがないのだろう?関西へ」

「そ、それは……」

「ならば知らぬ者が口を出すな。
私は、祖母として、友として、リクオを失いたくないから言っているのだ。戯言として受け止めるもよし。
だが、頭の隅にでもいい。それを覚えておけ」



.

+++++→←+++++



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
907人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

棘くん(プロフ) - 更新ありがとうございます!!! (2021年5月30日 16時) (レス) id: 187c3c8143 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!早速読ませてもらいました!次も楽しみに待ってます!頑張ってください! (2021年5月30日 12時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様。応援ありがとうございます!これからもよろしくお願いします笑 (2021年5月30日 11時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからどんな風に話が進むのか楽しみです!頑張ってください!! (2021年5月22日 18時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ▼とある黒兎さん» 更新をお待ちいただきありがとうございます!ゆっくりですがちゃんと更新しますので、これからもご愛読くださいませ。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年11月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。