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「泣き疲れて眠るなんて……。まだまだ子供ですね。」
優しい微笑みを湛えて彼女━━夢野幻架が言った。
幻架の膝には三郎の頭がある。所謂、膝枕状態だ。
「あの……姉ちゃん…。……俺も、頭……。」
二郎が幻架に言うと、幻架は笑みを崩さぬまま二郎の頭を撫でた。
嬉しそうにする二郎を見て幻架が愉快そうに笑った。
それから、二郎は一郎に「もう寝ろ」と言われ、部屋に戻って行った。
「可愛いなぁ、ここの兄弟は。」
空に浮かぶ月を見ながら、呟く幻架を見て一郎は幻架に近づく。
そして、其の儘幻架の唇に自身の唇を重ねた。
幻架が少し驚いてから、艶やかに笑った。
「一郎、嫉妬?」
愉しそうにいう幻架に「そうだよ」と、言いながら一郎が幻架を押し倒す。
そのまま幻架の首に
それから、胸にも紅い花を咲かせる。
「……別れたとしても、お前は俺のもんだ。」
太股、腰、背中、手首、手のひら、腕、胸、首、喉、頬、唇を避けて鼻、髪…。
どんどん上に上がりながら紅い花を付けていく一郎に幻架は抵抗しなかった。
(嫉妬させたら拙いんだよなぁ……。一郎。嫉妬したらとことん目が狼だし……。)
呑気にそんなことを考えている幻架の耳に接吻をしてから、一郎が再び幻架の唇に自身の唇を重ねる。
今度は、先程の様に触れるだけではなく、唇を入れる。
「ふ…んん……」
幻架からそんな声漏れる。
それとほぼ同時に、家のチャイムが鳴る。
一郎が唇を離す。二人の間を銀の糸が繋いでいた。
頬を赤く染めながら、何処か恍惚とした表情をしている幻架の額に接吻を落としてから一郎が部屋から出ていき、先程鳴ったチャイムに向かう。
(一郎の……バカ……。)
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「サンキュな……乱数……。」
「いーよいーよ。」
一郎と乱数が近くの公園のベンチに座り、ジュースを飲みながら話していた。
「一郎。幻架は渡さないからね。」
いつも通りの明るいトーンで、いつも通りの笑顔を浮かべながら言う乱数に一郎はただ静かに言った。
「……泣かせたら、奪い返すからな。」
…と。「俺だったらまた
夢野幻架という、ひとりの女を好きになった男同士の、約束だった。
【後書き】
最後らへんに至ってはフラグが心配です。夢月です。←
はい、初めての18引っかかりそうな話です←
あともはや誕生日祝いじゃないですね←
取り敢えず三郎くんハピバです!!!!!←
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