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Happy Birthday【山架】 ページ5

朝から慌ただしく、いち兄と二郎が何かやっていた。
話しかけてもいつもみたいに遊んでくれなかった。
それどころか、二郎には「邪魔だ」って言われた。
いつもみたいに言い返しても、二郎は鬱陶しそうにするだけで言い返しはしなかった。
つまらなくて、嫌われたような気がして、近くの公園のベンチに座っていた。
今日はいつもより楽しくない。大好きなボードゲームをしてもなにも。
ガキだなぁ、と自分でも思う。けど、兄にあんな態度をされたのは初めてでいつもの様に頭が回らない。
「……嫌われたのかな。」
いつも、低脳低脳って言ってるから。
いつも、迷惑ばっかりかけてるから。
嫌われてしまったのだろうか。
俺は神童とは言われているけど、圧倒的にいち兄や二郎には及ばない部分がある。
二郎は低脳なりに各ディビジョンに友達を作ったりして、努力してる。
でも、俺は何もしてない。友達なんかいらないって、いち兄達がいればいいって、強がってるだけだ。
昔っからプレッシャーだった。いち兄の弟として、無駄に’期待’されるのが。
そのイライラを二郎にぶつけてた。ただの、八つ当たりだったんだ。
二郎はたしかに低脳だけど凄い奴だ。人脈も広いし、リラックも凄い。
それに比べ僕はリリックもまだまだだし、友達もいない。
そのくせして生意気にも低脳、低脳って八つ当たりして、罵ってばかりだ。
やっぱり、嫌われてしまったんだろうか。
「だーれだ。」
いきなり目を塞がれ、「わっ……」と声が漏れる。
この声は幻架姉か……。
「何するんですか、幻架姉。」
「よく分かりましたね。…何してるんですか?」
幻架姉は俺の横に座って俺にココアをくれた。
いつものように聖母みたいな微笑みを浮かべてる幻架姉はとても綺麗で、美しい。
さすがいち兄の元恋人だ。この人じゃないといち兄の恋人としては認めたくない…って、僕と二郎が思っただけはある。
神童とか、低脳とか、そういうの関係なく平等に優しくしてくれた幻架姉が俺も二郎も大好きだった。
「……いち兄と二郎に、嫌われたのかなって……。」
多分、この人だからこうやって素直に相談出来たんだ。
前にも何回か相談に乗ってもらったことはある。
その時も、的確な助言をくれた。
いち兄と同じぐらい、尊敬してて、大好きな人。
「一郎と二郎くんに……ですか。小生は嫌われたのではないと思いますよ。」
幻架姉が俺の頭を優しく撫でると同時に、聞きなれた声がした。

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作者名:夢月 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年12月9日 23時

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