21話 ページ21
ーあなたsideー
ー5日後ー
結局映画を見に行くのは2週間後に決まった。
でも、今の私はそれどころじゃない。
なんか昨日から寒気するなと思ったら、風邪ひいちゃった。、
頭痛いし、朦朧とするし、ふらふらするし、薬もないし。めちゃくちゃピンチ。
会社も休んじゃって罪悪感、。
お母さんに電話してきてもらおう。
prrrprrrr
「もしもし。」
あれ、お母さん声変わりした？声低い。
「もしもし。お母さん。風邪ひいちゃって。風邪薬もってきてもらっていい？」
「え、えっと、大丈夫？」
「全然大丈夫じゃない。家わかるよね。よろしく。」
あれ、なんか違和感。まあでもいいや。
「家わからないから教えて。」
え、いつも荷物送ってきてるのに。度忘れ？まあいいや。
「○○区○○ー○○。鍵開けておくから。じゃあ、よろしくね。」
これで大丈夫。
あーだめだ。ベッドまで行く気力ない。
ソファーで寝てよう。
ー羽生sideー
久しぶりの休みだと思って、ゲームを始めようとしたら、Aちゃんが電話が。
多分花咲と羽生で連絡先の順番が前後で、風邪ひいてるみたいだし、朦朧としてて間違えたんだな。
えっと、ここから一番近い薬局はどこだっけ。
早く行ってあげないと。
なにか食べやすいものも買っていったほうがいいかも。
ゼリーとか、。あとは、冷えピタ？
タオルも持っていこう。
勝手にタンスとか開けられないし。
ー−−−−−−
ソファーで寝てる。
あっつ。熱高すぎない？
苦しそう。
こんなところで寝てたら治るものも治らないだろうし、ベッドに運んであげよう。
え、軽い。
ちゃんと食べてんのかな。
ーあなたsideー
次に目を覚ました時にいるのはお母さんだと思っていた私は、
思いもよらない人が隣にいて、びっくりすることになる。
「あ、Aちゃん。目覚めた？大丈夫？」
幻聴？幻覚？病院行ったほうがいいかな。
「聞いてる？大丈夫？薬買ってきたよ。」
あ、いつもの薬だ。
きっと会いた過ぎて、お母さんのことが結弦さんに見えるだけだ。
「ありがとう。」
「冷えピタと、あと、ゼリーも買ってきたんだけど、食べられそう？」
ゼリー、ちょうど食べたかったんだよね。
「ありがとう。」
「とりあえず薬飲もうか。はい。」
そう言うと、薬とお水を渡してくれた。
こんなに面倒見がいいんだもん。
きっと結弦さんに見えるお母さんだ。
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作者名：かれん | 作成日時：2022年7月17日 15時
