検索窓
今日:3 hit、昨日:31 hit、合計:83,881 hit

後から襲い掛かる恥ずかしさ ページ44

【A視点】

アランと本音を語り合った。

普段なら恥ずかしくて、聞いているだけで頬が赤くなるようなセリフでも、自然に言えた。
それはきっと、アランも同じだよね。

《よかったじゃない。和解できたみたいで》

シズカがからかうような口調で呼びかけてくる。お母さんに似ている口調……。
そんな変なところはお母さんに似なくていいから。

「A……愛してる」

アランの声が真上から降り注ぐ。

「うん……私も」

腕の力を強くして、アランの背中に『ぎゅ』ってする。



「あーーーーっ!! やっとみつけたーーーー!!!」

不意に大声で呼びかけられ、一瞬でアランから離れる。

「こらこらマノン。邪魔しちゃダメだよ」

「マノンちゃん!? と、ダイゴさん!?」

振り向くと、そこには二つの笑顔。

「ごめんね。邪魔しちゃったみたいで……」

ダイゴさんが私たちに近づいてくるマノンちゃんを止める。

「えへへ……帰るのが遅くて、心配になって」

マノンちゃんは申し訳そうに、でも笑顔で頭を掻く。

「本当はもっと早く見つけたかったんだけどね。
フラダリさんに聞いたらどこにいるか分かると思ったんだけど、そのフラダリさん探しに時間がかかって……」

二人の顔ににじむ汗から、その手間と苦労がうかがえた。

「アランの様子がおかしかったから心配してたけど、どうやらまるく収まったみたいで、僕たちの出番はなかったみたいだね。よかったよ」

ダイゴさんが私たち――特にアラン――を鋭い目で見つめながら言う。

「それにしても、なかなか見せてくれるねぇ」

「「……っ!?」」

私たち二人は、ここでやっと自分たちのしたことの恥ずかしさを痛感した。

「ああ、ごめんごめん。僕こそ邪魔しちゃってるね」

ダイゴさんはそう言って謝るけど、顔は全く反省していなくて、楽しそうに笑ってた。

「それと、彼が心配してたよ」

ダイゴさんが視線を出入り口に向ける。

『彼』って、誰だろう。



「キィィッス!!」

泣き叫ぶような鳴き声、もとい泣き声でツドキが私に抱きついてきた。

「ツドキ……!」

ツドキは私の温もりを感じると、すぐにアランに敵意の眼差しを向けた。

「その子、やきもち焼いてるんだね。
自分の大好きなトレーナーが自分以外の男といい感じになってるからねぇ」

「だ、ダイゴさんっ!?」

元チャンピオンとは思えぬ発言とニヤニヤ顔。

ダイゴさんのテンションがおかしい。こんなの、私の憧れたダイゴさんじゃないよ……。

私にとっては→←『ただいま』 『おかえり』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
50人がお気に入り
設定タグ:ポケモンXY , 最強メガシンカ , アラン   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

エビピラフ - すごくすっごく面白いです!!それに、キュンキュンしますね〜。これからも更新頑張って下さい!!! (2016年8月8日 1時) (レス) id: 44e702c603 (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - カレーオムライス…とてもおいしそ〜とても食べたくなってきました! (2016年8月6日 11時) (レス) id: 6bba43ef19 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 良かった。アランは、主人公に薬を飲ませなかった。安心しました。((o(^∇^)o)) (2016年8月4日 5時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 駄目。飲んじゃ駄目。その薬を飲んでしまたら、主人公は、壊れてしまう。アラン止めて。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 黒乙女ありすさん» コメントありがとうございます! 主人公の考えとしては、『本当に美味しいカレーなら、飽きなんてこない』ってことなので、3日連続でも彼女にとってはむしろご褒美です(笑) (2016年8月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年7月20日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。