初めての感触 ページ42
薬がこんな感触なんて、初めて知った。
それにしても、なんか、柔らかいような……。もしかして、アランの手？
どんな状態なのか確認したくて、閉じていた目をゆっくり開く。
「……っ！！？」
目の前に見える光景が信じられなかった。
目の前……本当にまつ毛の先くらい近くに、アランの顔。
すごく幸せそうに、目をつむっている。
これって、ああ、そうか……。
唇に触れる初めての感触の正体が分かった。
この感触は薬なんかじゃない。アランの、唇だ。
視線を少し下に落とすと、アランの右手に何かが握られているのが見えた。
さっきの薬。
アランは、フラダリさんを裏切る覚悟をして、私を助けてくれたんだ。
――ありがとう……。
目を閉じて、彼を感じる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【アラン視点】
Aの口に触れさせたのは、薬じゃない。
――お前の『覚悟』って、こういうことか……。
『俺』は少し恥じらいながら、納得する。
代表、すみません。俺にはAを傷つける覚悟はできませんでした。
「……んっ……」
「……！」
Aの舌が俺の舌に触れる。
結構、大胆なんだな……。
どれだけの時間、Aを感じていたのだろう。
もう10分くらいは息を止めているような。
「……っはぁ……っ」
さすがに息苦しくなったのか、Aが力を抜いて、俺との距離を置く。
「あ……あの……。
こういうときって、何て言えばいいんですかね……？」
恥ずかしそうに目を逸らしながらはにかむA。
「言いたいこと、言えばいい」
「……じゃあ、『ありがとう。』ですね。ふふっ」
紅潮した頬を手で押さえながら、嬉しそうに笑う俺の大切な人。
「ごめんな。変なこと、しようとして。
俺、ただ単に嫉妬してたんだ。怖かったんだ。お前が俺から離れていくんじゃないかって。
お前に俺をもっと見て欲しかったんだ……」
正直に話そう。
恥ずかしいけれど、俺の芯となる想い。
「お前がダイゴさんに向ける笑顔を見たくなかった。俺だけに見せて欲しかった。
お前の気持ちがダイゴさんに向けられるのが嫌だった」
Aは戸惑いながらも、ちゃんと俺の目を見て聞いてくれた。
「そんなわがまま言っても仕方ないよな。お前はお前だ。俺の人形じゃない。
だから、これからどうするかは、お前の好きなようにしてくれ。
俺はお前を壊そうとしたんだ。その罪の重さは分かっている」
Aは戸惑いの顔を、呆れ笑いの顔に変えた。
「何言ってるんですか」
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エビピラフ - すごくすっごく面白いです！！それに、キュンキュンしますね〜。これからも更新頑張って下さい！！！ (2016年8月8日 1時) (
レス) id: 44e702c603 (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - カレーオムライス…とてもおいしそ〜とても食べたくなってきました！ (2016年8月6日 11時) (レス) id: 6bba43ef19 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 良かった。アランは、主人公に薬を飲ませなかった。安心しました。((o(^∇^)o)) (2016年8月4日 5時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 駄目。飲んじゃ駄目。その薬を飲んでしまたら、主人公は、壊れてしまう。アラン止めて。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 黒乙女ありすさん» コメントありがとうございます！ 主人公の考えとしては、『本当に美味しいカレーなら、飽きなんてこない』ってことなので、3日連続でも彼女にとってはむしろご褒美です(笑) (2016年8月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年7月20日 7時
