23*:少女の想い ページ24
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「やっぱ轢かれて頭打ってくるべきだったね」
「酷いよA！なんでそんな怒ってるのさー」
なかなか許さない私と明星はそれから
色んな話をした。
今までの話、学校の話、窓から見える家に住む犬の話、
明星が飼ってる犬の話、私の態度の話、
そして、奥木和馬の話を。
実は明星は和馬にいちゃんにずっと
敬意と興味を持っていて一緒のユニットに
入るのが夢らしかった。
少々心苦しいが、和馬にいちゃんの事を
伝えると、初めは目を見開いて、それから
ゆっくり微笑むと「俺はもうtrickstarに入ってるから」
と言う。
どうして男装してるのかを、明星は聞いてこなかった。
いつか私から説明はするつもり。
だけど今はこの心地いい時間さえあれば
私には十分すぎる。
「…A」
「え？…！」
突然、後頭部が寄せられて視界いっぱいに
明星の顔が映る。
ちゅ…と唇に柔らかい何かが触れたのと同時に、
私の拳は明星の横腹に食い込んでいた。
「ぐほぉっ！」
「何すんのよ変態」
「え？！いや雰囲気良かったから…」
「雰囲気良かったらそんなことしていいと
思ってんのか」
「えええぇ…」
アホはアホのまま。
まったく、アホとこんなことしたら
アホが映りそうじゃないか。
ちらりと伺ってみると意外に赤面してる
明星がいてちょっと驚いた。
「何照れてんの」
「照れるよそりゃ！だって、その、
好きな子と…キス…出来た訳だし？」
「自分から来たくせに」
「Aはなんでそんな冷静なのさー！」
もっと恥ずかしがってもいいじゃん！と
意味わからない事を言うからきっと頭が
正しい判断出来ないんだろう、と思い
ため息で我慢してあげる。
「…て、は？好きな子？」
「…うん。好きな子とじゃないとキスしたくないよ」
「…へえ」
「なにそれ」
なんだか恥ずかしくなったので無表情を決め込む。
そんな私を、明星は優しい顔で
アホっぽく笑ってくれた。
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「和馬にいちゃん」
「なに?A」
「私、まだそっちに行けそうにないや」
「そうか」
「でも、きっと私は…」
「A」
「…なに？」
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「_______」
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作者名：里小翔 | 作成日時：2016年8月29日 22時
