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diary.26 ページ30

ナズナ「アザミ……いつから..」

アザミ「ん?ついさっきだな」

ナズナ「なんで此所が分かったんだ……」

アザミ「私はなんでも出来るのさ」


フフンと得意気に笑うアザミの目は真っ赤な色をしている。


きっと目の能力を使ったのだろう。



アザミ「それにしても、此所はいい場所だな。

うちより広いぞ」


ナズナ「まぁな。たまたま見つけたんだ」



部屋は動物の首だけの像や、古そうな絵画やらで

不思議な雰囲気を作り出している。


来たときからこんなのがあちらこちらに散らかっていたので

この部屋にひとまとめにしたのだ。



アザミ「さっき階段上がってきたがかなり部屋あるな」

ナズナ「そうだな。私も始めは驚いたが……

此所は洞窟よりも丁度良いし、大きすぎるが問題ない」

アザミ「……そうか」


しばしの沈黙が部屋を包む。


しかしアザミは一呼吸置いてしんみりとした表情で口を開いた。




アザミ「……両親は?」



ナズナ「……見つかったよ」




私はアザミを連れて外に出た。


風が優しく頬を撫でる。





アザミ「……!」




私が連れてきた此処には

石で出来たら墓が2つ、儚げに佇んでいる。



ナズナ「此所はかつて私の両親が住んでた場所だ。

人間に連れ去られた後、なんとか逃げ出した二人は

この館で生涯を過ごした。

……と、墓に刻まれている」


アザミ「……誰が墓を?」


ナズナ「通りすがりの親切な人間だろう。

此処に来たときメモがあった」



私はポケットから一枚の紙切れをアザミに見せた。


アザミ「……いい人間がいてよかった」

ナズナ「あぁ」




ザワザワと風が木々を揺らす。

遠くで蝉が鳴き出した。

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飛真 - 亜夜茶さん» いえいえ!自分が誤解させるような言い方したのが悪いので…本当はリヴァイ好きなんです^^ (2014年4月29日 15時) (携帯から) (レス) id: bc96abf6f9 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 亜夜茶さん» そそそそんなっ!!そんなことをいってもらえるとは……!嬉しすぎて号泣してしまいます!! (2014年4月29日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - 里小翔さん» いえいえ、すごいですよ!私、この作品スキだな〜♪((ニコッ (2014年4月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ありがとうございます!オリジナル難しいんですよね……オリジナルじゃないんですけど(笑) (2014年4月26日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - あの…ここの作品、面白かったです(*⌒▽⌒*) (2014年4月25日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:里小翔 | 作成日時:2014年1月29日 20時

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