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diary.23 ページ26

私はゆっくりと冷静に

シオンを振り返る。


ナズナ「どういうこと…とは?」


シオン「ミズバショウは『美しい思い出』。

ボダイジュは『夫婦の愛』。


シランは……『貴方を忘れない』」




シオンが次々に花言葉を口にすると

ツキヒコは目を見開いて花と私を交互に見た。


アザミは部屋の端の方で俯きながら様子を伺う。


ナズナ「……だから?」


シオン「ねぇナズナ。何処にも行かないよね?」



その言葉を聞いた途端これまでにないくらい

背筋が震え上がり、シオンの顔を見れなくなった。


私の様子に気づいたのかシオンは

私の肩を掴み激しく揺らし始める。



シオン「ねぇ嘘でしょ?どうして?!」


ナズナ「……っ煩い!私の勝手だ!!」



シオン「勝手なんかじゃない!」



珍しくシオンは怯むこともなく私に言い返してきた。



ナズナ「……もう、ほっといてくれ…」


シオン「なんで?やだよ!」



ナズナ「お願いだから…」








……今、泣くわけにはいかないんだ。









アザミ「シオン」



不意にさっきまで黙っていたアザミが

私とシオンの間に入ってきた。


アザミ「ナズナには事情がある。

それは……お前に言えないが、大切な事なんだ」


シオン「でも……っ!私はナズナと一緒がいい!」




アザミ「お前、ナズナがどんな想いで決意したか分かるか?」


シオン「え?」


ナズナ「……、」




反論しなくなったシオンをアザミは正面から見つめて

それから私をじっと見つめた。



それを追いかけるようにシオンも私を不安気に見つめる。





アザミ「コイツは悩んだ。それはもう……夜も寝れないくらい。

だけど一人で決めた。自分で決めたんだ。


……お前が何か言った所で、コイツに変わりはない」


ナズナ「…シオン、黙ってて……悪かった」


シオン「……ぇ?」


ナズナ「……でも決めたんだ。私の意志で。

だから……だからっ……」


シオン「ナズナ……」




皆が見守る中、私は声が震えながらも

心から声を出した。





ナズナ「……、……笑顔でっ……見送れ…………っ」

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飛真 - 亜夜茶さん» いえいえ!自分が誤解させるような言い方したのが悪いので…本当はリヴァイ好きなんです^^ (2014年4月29日 15時) (携帯から) (レス) id: bc96abf6f9 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 亜夜茶さん» そそそそんなっ!!そんなことをいってもらえるとは……!嬉しすぎて号泣してしまいます!! (2014年4月29日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - 里小翔さん» いえいえ、すごいですよ!私、この作品スキだな〜♪((ニコッ (2014年4月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ありがとうございます!オリジナル難しいんですよね……オリジナルじゃないんですけど(笑) (2014年4月26日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - あの…ここの作品、面白かったです(*⌒▽⌒*) (2014年4月25日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:里小翔 | 作成日時:2014年1月29日 20時

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