diary.19 ページ22
分かった……?
ナズナ「分かったって…まさか、まさか
会ったのか?!」
冷静さを失い、取り乱してしまった私を
アザミの赤い目がただただ見つめる。
アザミ「会ってはない。ただお前の所のコウモリが
私に教えてくれたのだ」
ナズナ「コウモリ…?あっ……」
依然シオンを襲おうとしたコウモリを思い出す。
元々両親の家来のようなものだが
私の大事な存在達でもあった。
ナズナ「……なぜ、なぜ私に言わない?」
アザミ「そんなことは知らん。だが
お前に言うと必ず人間達の所にいってしまうと
思ったんではないか?」
ナズナ「……っ当たり前だ。聞いといてじっと此所で過ごせと言うのか?」
アザミ「奴等の所に行くのは危険だと、
コウモリの奴等の方がわかっているんだろう?」
ナズナ「っ!!」
アザミ「お前の両親のように……そうなってほしくないと……」
ナズナ「…………」
机に灯された蝋燭がゆらりと揺れる。
何処にも向けられない怒りのような
なにもできない悔しさなのか分からない感情だけが
むくむくと膨れ上がった。
ナズナ「……ならアザミは何で話した?」
アザミ「ふっ……ふはは……」
ナズナ「え?」
突然アザミが腹を抱えて笑だした。
いつも女王のように振る舞っていた彼女が
まるで子供のように私を見て笑だしたのだ。
なんか……
気が抜けた……
アザミ「ふぅ……いや、すまない。じゃぁ……
逆に聞こう」
一通り笑い終えたアザミが
きちんと向き直って口を開く。
アザミ「私とツキヒコが突然消えたとする。
お前は私達が行った場所が分かるが
そこは地獄のような荒れ地。
さて、お前はこの事をシオンに話すか?」
ナズナ「当たり前だ!話すに決まってる……!」
アザミ「何故だ?」
ナズナ「それはっ……」
私が喋らなくなると
アザミはクスリと小さく笑う。
ナズナ「……シオンにとって、アンタ等は
大切な存在で……決して消してはならない人だからだ」
アザミ「そう。仮に話さないとしても
永遠にその存在を思い続けるのなら」
ナズナ「ちゃんと、ケリをつける」
辺りがしんと静まり反った。
まるで私達だけを残してるだけかのように……
アザミ「決まりだな。詳しいことは明日話す。
さっさと夕食食べて今日は寝よう」
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飛真 - 亜夜茶さん» いえいえ!自分が誤解させるような言い方したのが悪いので…本当はリヴァイ好きなんです^^ (2014年4月29日 15時) (携帯から) (レス) id: bc96abf6f9 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 亜夜茶さん» そそそそんなっ!!そんなことをいってもらえるとは……!嬉しすぎて号泣してしまいます!! (2014年4月29日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - 里小翔さん» いえいえ、すごいですよ!私、この作品スキだな〜♪((ニコッ (2014年4月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ありがとうございます!オリジナル難しいんですよね……オリジナルじゃないんですけど(笑) (2014年4月26日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - あの…ここの作品、面白かったです(*⌒▽⌒*) (2014年4月25日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:里小翔 | 作成日時:2014年1月29日 20時