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diary,1 ページ3

外で虫が私を眠りから

起こすかのように鳴き出す。



ゆっくり身を起こし、出口に向かうと

眩しい光が射し込んでいた。


思わず手を翳して見上げてみる。


雲ひとつない晴天だ。



ナズナ「……夏か」



ぼそりと一人で呟く。


洞窟の周りには緑の葉っぱが折り重なるように

生えていて空に向かって精一杯広げていた。



ナズナ「何回目の夏だっけ……」



大分日光に慣れてきてそっと

洞窟から顔を出した。


そういや随分前に人間は私達、ドラキュラは

日光を浴びると消える…とか言ってたっけ。


まぁ半分当たって半分ハズレかな。


日光を浴びても消えはしない。


ただ少し動きづらくなるくらい、そんなものだ。



鳴き喚く蝉は洞窟を出たとたん、

一層激しさを増す。


あぁこれだから夏は嫌だ。




でも殺風景な冬も嫌い。




ナズナ「良いことなんて、生きてる間は無いかな」



去年も同じような事を言った気がする。

考えても面倒臭いのでもう一度洞窟に入った。



私の場合、永遠に生き続ける事になる。


元々私達ドラキュラは不老不死だから

死ぬ事なんてない。


だが、愚かなドラキュラ共は調子に乗って

日光に浴びて自爆する事が多々ある。


またはどっかの研究者に捕まって

一生牢獄生活、とかそんなはめになったドラキュラも

いたような気がする。



しかしそんなのまっぴらごめんだ。




絶対両親のようにはなりたくない。






独りぼっちの洞窟の中、私は葉っぱで敷いた

座布団の上にボスンと腰を下ろす。



……と、すぐにお腹がグーと虚しくなる。


そう言えば春から何も食べていない。





ナズナ「魚でも釣りに行くか」




立ち上がりまた炎天下の中に歩いていく。





















































これが多分、アイツと会う始めの合図だったのかもしれない。

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飛真 - 亜夜茶さん» いえいえ!自分が誤解させるような言い方したのが悪いので…本当はリヴァイ好きなんです^^ (2014年4月29日 15時) (携帯から) (レス) id: bc96abf6f9 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 亜夜茶さん» そそそそんなっ!!そんなことをいってもらえるとは……!嬉しすぎて号泣してしまいます!! (2014年4月29日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - 里小翔さん» いえいえ、すごいですよ!私、この作品スキだな〜♪((ニコッ (2014年4月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - ありがとうございます!オリジナル難しいんですよね……オリジナルじゃないんですけど(笑) (2014年4月26日 6時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜茶 - あの…ここの作品、面白かったです(*⌒▽⌒*) (2014年4月25日 23時) (携帯から) (レス) id: 1d74fcc99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:里小翔 | 作成日時:2014年1月29日 20時

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