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「どこってそりゃ、言うこと聞いてくれるし
頭撫でてくれるし…」
「それは世間の好きとは違いますよ」
その通りっすよ弓弦君…。
盗み聞きしてた私は安心したような、
でもガッカリしたような、そんな気分。
けれども姫宮君の声はまだ続いていた。
「でも…僕、Aが好きだ。
理由とか分からないけど…
好き。すごーーーーく好き。大好き」
『桃季…君…』
温かい言葉に胸がきゅぅっと締め付けられる。
くすぐったいような、心地いいような、
そんな心臓の音が煩くて。
だからかなぁ。
「おや?Aさんどうしました?」
私の背後に渉君が居たなんて知らなかった。
『うわぁぁぁっ!!!』
「A?!…っじゃなくて、奴 隷!!」
「おー驚いてますねぇ☆!」
渉君、空気読もうか。
予想通り顔を真っ赤にした桃季君が私の
前に現れた。
「奴 隷の癖に盗み聞きしてたの?」
『んー…出るタイミング分からなくて…』
「〜〜〜〜〜っあああもうっ!!!」
なにか言いたげにわたわたしていた桃季君は
大きく叫ぶと、私の制服を勢いよく引っ張った。
ゴツン!とおでこがあたる。
いってて…と目を開けばピンクの髪の毛と
可愛いくりくりの目。
「もう一回言うよ。
好きだよ、A。
ねぇ僕の…僕だけのAになってよ」
やけに男の子な声の出し方に思わず
ドキドキしてしまう。
…けど、やっぱり…
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『…可愛い』
「んなっ?!」
「坊っちゃま、無理に背伸びしては体が
プルプル震えていらっしゃいますよ」
「ううううるさい!!」
「おやおやおや!なんと愛の告白でしたか!
これは、まさしくあめ…」
「うるさいロン毛!!!」
みんなにちゃかされてますます真っ赤な桃季君。
ごめん、可愛いっていいながら私も
顔赤い気がする…。
桃季君はくるっと振り返ると涙目のまま
私をびしりと指差した。
「絶対好きって思わせるんだからな!!
覚えとけよっっ!!!」
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そう言う小さな王子様はやっぱり可愛いかった。
「坊っちゃま、きちんと先輩と呼ばなければ…」
「うっさい!今いいところだったのに!」
《鈍感系女子×可愛い系男子》
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里小翔(プロフ) - 飛龍さん» あ、私も弓弦大好き星人です笑笑 (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!颯馬くんは口調を何度も迷いながら描いた作品なので不安だったのですがこのようなコメントを貰ったのでホッとしております(笑)ありがとうございました! (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 飛龍さん» こちらこそこんなに心温まるコメントしてもらってありがとうございます!!嬉しいです!励みにして頑張りたいと思います! (2016年8月25日 18時) (レス) id: d058fb1934 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 颯馬くんのお話、#1の方では、笑が止まりませんでした……。あの、「ちょんまげと○ザエさんヘアー」のところとか……。でも、#2の最後らへんは、ちょっとキュンってきたりして、すっごくよかったですっ! (2016年8月25日 12時) (レス) id: e5fe38492a (このIDを非表示/違反報告)
飛龍(プロフ) - 弓弦の話にウルッと来ました…。いい子すぎて泣けてきますよホント。素晴らしい作品をありがとうございます!弓弦大スキ星人にとって最高の話でした!これからも頑張って下さいな。 (2016年6月20日 14時) (レス) id: 70d6320d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:里小翔 | 作成日時:2016年3月13日 23時