検索窓
今日:15 hit、昨日:4 hit、合計:108,520 hit

∇『過去』 ページ37

達平「おはよっす、先輩」


登校中の道、ふと背後から誰かに呼ばれて振り返ると

学ランにマフラーをもこもこ着こんだ達平君の姿が。



達平君は私より身長が高くて

顔もイケメン。


しかも陸上部で足も速く運動神経抜群だから

学年問わずの人気者。


これは未来ちゃんも好きになるよ。



あ「おはよ、達平君。今日も寒いね」

達平「そっすね…ま、先輩が抱き締めてくれたら
暖かいんすけどね」

あ「はいはい」



達平君を適当に避ける。


達平君はいつもこんなノリだ。



時々ドン引きするような事をするけど

基本的に良い子だしこうしていつも私に

声をかけてくれる。


嫌いではない。むしろ好きだった。




達平「先輩聞いてくださいよ、今日母ちゃんが
おきろーって起こしてきたんすけど
フライパンとフライパンぶつけてガンガンするんすよ?

漫画な訳じゃないし早朝じゃないっすか。

近所迷惑もいいところっすよ」


あ「あはは、達平君朝苦手なんだ」


達平「まぁそうっすね。かといって夜も…」

あ「いつも何時に寝るの?」

達平「8時っす」

あ「早!赤ちゃん?!」

達平「A先輩言い方ひどいっすよ」



たはは、と恥ずかしげに笑う達平君。


と、その時校門の傍で未来ちゃん達がじっと

私のことを睨み付けてるのを見てしまった。


慌てて私は達平君から離れる。




あ「ご、ごめん!またね!」

達平「え、ちょっと!先輩!」



早足で未来ちゃんたちの前を通り抜けて昇降口へ向かう。

て言うか偶然にも程がありすぎる。

まさかあそこでずっと見張りを?



…いやいやいや。

こんな寒いのにそんなことしていられるか。




…でも未来ちゃんなら?





なんてぼんやりしていると下駄箱の中に一通の

手紙を見つける。




…うわぁ、これベタなやつでしょ。


差出人なんて書いてなくても分かっていた。






私は折っただけのメモ用紙を広げてみる。






『今日の放課後多目的室前の階段に来て




堀達平』





あ「んなわけあるか」



私はくしゃっと雑に折って制服のポケットにしまう。

達平君はこんな丸い字を書かない。



そもそも多目的室とか階段とか感じが書けない。


しかもさっきまで私と一緒に登校してきじゃないか。



どう考えても彼の物ではなかった。





行かなくても良いんだけどな…

でもあとあと面倒だし。







そして、私は放課後階段に足を運んだ。









先で待ってる悲劇がどんなものかなんて知らずに。

∇『過去』→←∇『過去』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
88人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

里小翔(プロフ) - ミュア☆ミュアさん» 本当ですか!なんだかやりきった感あります笑笑番外編がんばります!! (2015年7月30日 21時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
ミュア☆ミュア(プロフ) - 過去編の話泣きそうになりました。番外編の話もがんばって下さいね! (2015年7月30日 21時) (レス) id: 7d2b816aaa (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - いちごパフェさん» ありがとうございます!過去編泣きそうなんですか?!笑笑泣くかは分からないですけど主人公とクラスメイトとの関係が書けたらいいなぁと思ってるので!!(笑)コメントありがとうございました(*^▽^*) (2015年7月30日 15時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - 続きが気になります( ´ ω ` )過去編、泣きそうです… (2015年7月30日 9時) (レス) id: c194704685 (このIDを非表示/違反報告)
里小翔(プロフ) - 桜姫さん» ありがとうございます!合宿ならばとお風呂シーンを入らさせてもらいました!応援ありがとうございます!頑張ります! (2015年7月29日 21時) (レス) id: 78e56a3429 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:里小翔 | 作成日時:2015年6月23日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。