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私も君が好き。
そう言いかけた瞬間、
背後から聞こえた声はずっと探していた父のものだった。
「あ、おとうさん!!」
「ったく、どこいってたんだ!」
叱咤されながらも、父に会えたことに嬉しくなって駆け寄れば
父は優しく抱きとめてくれた。
そんな私の後ろ姿を男の子は黙って見つめていて。
「……よかったな、A」
「あ、まって!」
小さく呟いて、踵を返した男の子を父から離れて引き止めた。
「おなまえ、なんていうの?」
振り返った男の子に、聞き忘れていたそれを今になって問う。
すると、優しく笑った彼は、また呟いた。
「……――――だ」
彼の声は、騒がしい広場ではあまりよく聞き取れなくて。
「あとれけーろ……?」
そんな感じのニュアンスだったことだけは、わかった。
そう、でも、あの時の男の子はイギリス人だったはずだ。
やけに日本語がペラペラだった気もするけど、
あの時の男の子は確かそんな名前だった。
……ん?
アトレケーロ……?
アトレ、ケーロ……
アトベ、ケイゴ……?
跡部、景吾……!?
解読し終えた頭で彼の顔をバッと見つめれば、
私を見下ろした彼と青い瞳と視線が合ってもう1つ思い返された。
「……もう、あそべないの?」
「……会いにいく」
「え?」
「おとなになったら、会いにいってやるよ」
「おとなに、なったら?」
「あぁ。でも、次会うときはともだちじゃねえ。
おれさまの、」
――――
「だから、うわきすんじゃねーぞ、A」
「……うわき……? まぁ、よくわかんないけど、わかった!
ずっと、まってるね!!」
「あぁ、やくそくだ」
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優(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時