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思い返されたのは、“約束”






……待って、嘘でしょ。






「まさか、約束、って……

それで、本当に、会いに、来たの……?」






彼の顔を見つめたまま問いかければ

跡部先輩は口角をあげた。






「……俺は、お前が入学した時にも言ったはずだぜ。

“約束通り”俺様と結婚しろ、ってな」






「……い、や……いや、いやいやいやいや!!

有効な訳ないでしょあんな10年も前の子供の口約束!!

まず覚えてないから普通!!」






何健気に守ってんだこの男!






どこまで馬鹿なんだ本当に!






素直とか、正直とかそういうレベルじゃないよもう!!






「て、ていうか! まだ大人じゃないんですけど!!

中学生なんですけど!! 年齢的に結婚も出来ないのに

結婚しろもくそもないですよ!!」






「まぁ、それは俺も計算外だったからな。

本当は18になってから行こうと思ってたんだが、

まさかお前が氷帝に入学してくるなんて思わないだろ」






ま、これも運命、ってやつか?






ハッ! と鼻で笑った跡部先輩に目を見開く。






「馬鹿言え!! 何が運命だ!!

とにかくそんな10年も前の口約束私は認めませんからね!!

結婚どころか、跡部先輩とはお付き合いもしません!!」






「……あの、ちょっといいかな」






激しく言い合いを始めた私たちの会話を遮ったのは

ここまで黙り込んでいた父で。






跡部先輩から視線を外してキッと父を睨んだ。






「……なに、お父さん」






「その、口約束、じゃないんだ」






「は?」






「実は、景吾君は、一回俺のところに文書送ってきてて」






「……文書?」






「そう。お前と結婚させてくれ、的な」






「……それ、いつの話?」






「お前が入学した時」






「……そう。それで? なんて返したのお父さんは」






「いや、名前的に、あの時の男の子だって、分かってたから。

律儀な子だなあって思って微笑ましくなっちゃって、

すごく軽い気持ちで、いいよ、って返事した」






「……」






「だから、ごめん。口約束、じゃない。親、公認だ」






「……」






「……まぁ、ほら。彼すごくAのこと大事にしてくれそうだし、

御曹司だし、将来には困らないよ、きっと」






彼なら安心だと笑う父に声を失った。






何が安心だ。






何が親公認だ。






何が将来に困らないだ。






そんなの、






どうだっていい。






「……らい」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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