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「は? おい、許可してねえだろ俺は!

なに勝手に乗ってやがんだてめぇ!」






「ふぅ、いいね〜車は楽で」






暑かったから助かったよ〜と、後部座席のシートへ背を預け

制服の胸元にパタパタと風を送る彼は悪びれもなく笑った。






自由な人だな、なんか。






跡部先輩の冷たい視線にも動じず、

少し体をこちらにかたむけた彼は

ハイテンションのまま跡部先輩に話しかける。






「あれでしょ? 抽選会で立海行くんでしょ?

だからついでに乗せてってもらおうと思って」






「……なんでいつもてめぇなんだよ。南と東方はどうした」






「ん? いや、ほら俺ってラッキーじゃん?

だから抽選会は俺が行けって言われてんのよ」






「……」






今日もこうして車に乗せて貰えちゃったからね!なんて

カラカラと笑う千石さんに跡部先輩が珍しく黙り込んだ。






好きで乗せた訳では無いんだが、というのが

跡部先輩の荒んだ目から伝わってくる。






というか、ラッキーだからって

トーナメント抽選会行かせるその部長さん達の神経もよく分からん。






いくら運が強かろうがトーナメントの引きが良かろうが

全国大会なんて運で勝てるものじゃないだろうに。






跡部先輩と同じく顔を引き攣らせながら鼻で笑えば

私の存在に気づいた千石さんが

間に座る跡部先輩から覗き込むように体を浮かせた。






「ん? そちらのお嬢さんは?」






「あ、どうも……」






「こいつには話しかけんじゃねえよ」






「え、あ、もしかして跡部君の彼女さん?」






「いや、違います」






秒と待たず全力の否定をすれば

なーんだとつまらなさそうな顔をした千石さんに苦笑した。






いやいや、意味わからないでしょ抽選会に彼女連れてく部長。






普通に考えれば分かるじゃんか。






そしていい加減その冷たい視線送ってくるのやめろ跡部貴様。






そんな顔されたって彼女じゃないものは彼女じゃないんだから

私は間違ったことは言っていない。






と言いつつ彼の視線から逃げるように

跡部先輩から目を逸らした。






「じゃあ誰なの?」






「こいつは、俺様の」
「マネージャーです、ただの」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時

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