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その時、頭の上から女の人の声がした。
観覧席の階段を降りていこうとしていた彼女は
確か、跡部先輩の追っかけの筆頭を担う3年生だ。
先輩とあらば、声をかけられて無視をするわけにもいかず
ペコッと小さく頭を下げながら声を絞り出した。
「……こんにちは、先輩」
「何そんなところでボーッと座ってるの。
こっち来て。跡部様の応援をするなら
もっと最前に立って全力でしなきゃダメよ」
「え、いや。私は別にここで、」
「はぁ？ まさかとは思うけど貴女、
あれだけ跡部様に構って頂いておいて
自分は跡部様に興味無いだなんて戯言、
抜かすつもりじゃないでしょうね」
「……いや、その、そうとは、言ってない、ですけど」
「まぁそうよね。そんな失礼なこと、するはずないわよね。
もしそんな調子乗ってるような発言されたら
流石に私も黙ってられないからね」
「……」
彼女は薄ら気づいているのだ。
私が彼を全力拒否していることに。
だからこそ、こうして圧力をかけてくる。
調子乗んじゃねーぞ2年の分際で、と。
「もう一度聞くけど。
もちろん今日は、跡部様の応援に来たのよね」
「……はい、仰る通りです」
「なら、来て。
跡部様に言われて、ちゃんと貴女の席は取ってあるの。
これだけ配慮して頂いてるんだから有難いと思いなさい」
「……」
でも、おかしいな。
普通、虐められるくらいだと思うんだけど。
漫画だと、そういう展開になるはずなんだけど。
私は何故圧力をかけられてまで全力で歓迎されているのだろうか。
いや、リアルはこうなのか。
跡部先輩が私を追っかけ回していることは
彼女らも知っていることで。
そんな私に手を出せば彼に何をされるか、
彼にどう思われるか分からないから
物分りのいいフリをしているのか。
これがリアル。これが現実。
ただ、虐められたいとか、そんなMな発言をしたい訳では無いが
こんなことになるくらいなら嫌がらせを受けていた方がマシだ。
彼女に腕を引かれて最前に連れていかれる私を眺め
満足そうに口角をあげた跡部先輩を見て思った。
私の行動を読み自分の取り巻き達を使ってまで
裏から手を回してくる跡部先輩は王様なんかではない。
大魔王である。
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優(プロフ) - 時雨さん» 右隣の男子が予想外に気にかけられすぎてて困惑しておりますww 高評価までありがとうございます…！ お陰でノリノリに更新欲が湧いてきました！ 頑張ります！ (2020年12月16日 22時) (
レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 優さん» 右隣の男子は消えたりなどしないよ…ってことですねwwもちろん一番右側の☆押しておきました!! (2020年12月16日 19時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 時雨さん» 嬉しいコメントありがとうございます！ なによりの励みになります！！ 右隣の男子は……神隠し、ばいね……(今後本編で明らかになる……かも？ それまではご想像にお任せしますww) (2020年12月16日 5時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - すごく面白くて一気読みしちゃいました!!これからも更新頑張ってください、楽しみにしてます!!右隣の男子はどこへ…？ (2020年12月15日 22時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2ytluvuusham081 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/
作成日時：2020年12月3日 18時
