脳漿炸裂ボーイ【跡部 景吾】

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なにその笑顔、なにそのキラキラ。






見たことないよそんな跡部先輩。






「……おはよう、ございます」






「ごめんなさいね、跡部君。

バカ娘がお待たせしてしまって」






「いえ。お気になさらず。

僕が勝手にお迎えにあがっただけですので」






……僕？ お迎え？ あがった……？？






別人格を飾る跡部先輩に困惑しつつ

否定をも忘れて立ち尽くす私の手が彼に引かれる。






後部座席を開けて私を押し込んだ跡部先輩は

母親に背を向けているのをいい事に酷く冷たく睨んできた。






ついでにチッ、と小さく舌打ちをされたことには

気づかないフリをしておく。






「では、御母様。また改めて御挨拶に参ります。

今日はAさん、お借りしますね」






「ええ。楽しみにしてます。

あんまり遅くならないように……じゃなくて、

遅くなるようなら連絡しなさいよ、A」






「……いや、ならんよ。

言い直さなくていいよわざわざ。中学生に一体何期待してんのよ」






一瞬で営業スマイルに戻した跡部先輩は

それだけ言い残して反対側のドアから乗り込んできた。






手を振る母親の姿が見えなくなったと同時に

姿勢よく乗っていた体を倒し

偉そうにふんぞり返った跡部先輩を見て

乾いた笑いが勝手に表に出た。






「……おい、Aテメェ。

俺様を待たせた上にエスコートまでさせやがるとは

いい度胸してんじゃねーの」

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