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「おはようA! 本当に来てくれたんだね」






「……あぁ、おはよう鳳くん。まぁ誘拐に近かったけど……」






会場に着くや否や私の姿を見つけて、

駆け寄ってきてくれた鳳くんは

私の落ちたテンションを少し持ち上げてくれた。






が、それでも上がりきらないのは

思わずボソッと付け足してしまった誘拐の件があるからで。






朝9時に迎えを寄越す。

確かに言われた気がするが、まさか有効だと思ってなかった私は

のうのうと8時半に起きて朝食を貪っていた。






まぁ、鳳くんの試合だけ間に合えばそれでいいやなんて

クズ丸出しの思考で余裕をぶっこいて準備をしていれば、

9時になった途端に鳴ったインターホンに肩をビクつかせた。






母親が荷物かしら、なんて独り言を呟きながら

玄関に向かっていくのを横目で見つつ

制服に袖を通していた私に母親は言った。






「跡部君、来てるわよ」






「……ん……?」






「跡部君、来てるわよ」






聞き返してしまっただけで、

聞こえなかった訳ではなかったというのに

勘違いした母親が爆弾発言というリアル爆撃を2回もしてきた。






跡部君が、来てるわよ……??






「え? なんで?」






「迎えに来たって言ってるけど。

なに、あんたデートの約束でもしてたの?」






「そんな訳ないでしょ」






「もぉ。そうならそうと言いなさいよ。

まさか跡部君だと思わなくて

お母さんスッピンで出ちゃったじゃない」






「いや何がダメなのスッピンで。

てかデートじゃないって言ってるよ私は。

ちゃんと話聞いて本当に」






「いいから早く行きなさい。

外で待ってくれてるから」






「あ、ううん。追い返して今すぐ。

デートもなにも約束してないから。

私今日用事あるし――――」






用事だと口に出してハッとした。






あの野郎、ちゃっかり迎えに来てやがんのかまさか。






嘘でしょもう。






全てを理解して髪を急いで整える。






のろのろ準備していた私がバタバタしだした姿を見た母親が

ニヤニヤしているのを視界に捉えた。






「青春ねえ」






「だから! 違うって言ってるでしょうよ!」






「流石ね、あんた。

ちゃんとお母さんの血を受け継いでるようで安心したわ」

・→←雌猫に成り下がる



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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝学園 , 跡部景吾   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 時雨さん» 右隣の男子が予想外に気にかけられすぎてて困惑しておりますww 高評価までありがとうございます…! お陰でノリノリに更新欲が湧いてきました! 頑張ります! (2020年12月16日 22時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 優さん» 右隣の男子は消えたりなどしないよ…ってことですねwwもちろん一番右側の☆押しておきました!! (2020年12月16日 19時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 時雨さん» 嬉しいコメントありがとうございます! なによりの励みになります!! 右隣の男子は……神隠し、ばいね……(今後本編で明らかになる……かも? それまではご想像にお任せしますww) (2020年12月16日 5時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - すごく面白くて一気読みしちゃいました!!これからも更新頑張ってください、楽しみにしてます!!右隣の男子はどこへ…? (2020年12月15日 22時) (レス) id: 9ccfd786f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:2ytluvuusham081 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/2ytluvuush1/  
作成日時:2020年12月3日 18時

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