2.拗れた関係を修復するため ページ3
中学で拗れに拗れた関係を、
高校でどうにか戻そうとして失敗。
ならば、大学でっと活きこんで、
幼馴染の消息を失ったのが三か月前だった。
中学のときは、たまたま同じ高校から推薦が来たことを、
親伝手で聞いた。
今回も同様、親に聞けばわかるだろうと思っていた。
しかし、返ってきたのは予想もしなかった解答だった。
「え、Aちゃん？さあ、どこにいったのかしら？」
「……へ？」
知らないんすか、と思わず呟けば、
同じ高校同じクラスのあんたの方が知ってるでしょ、と返ってくる始末。
いや、知らないから聞いたんすけど、とは流石に言えなかった。
じゃあ、桃っちならと聞けば、
「きーちゃん、そういうのはデリケートなんだから簡単に聞いちゃダメなんだよっ」
と、怒られた。
自分は部活の情報と称して、
デリケート云々無視して調べる癖に……。
何度聞いても同じような返答しか返ってこなかったので、
早々に諦めた。
じゃあ、最後の頼みの綱水っちならと聞こうとしたとき、
彼女の病気を聞いた。
あまりにも難しい話だったため、わかったのは
このままではいずれ目が見えなくなる、ということだけだった。
そのため、幼馴染の捜索は一時中断。
帝光のみんなや、海常の先輩とお見舞いに行った。
本人はあまり気にしていないような素振りだったけど、
見舞いに行くと必ず赤司っちが側にいて、必ず手を繋いでいるのを見て、
表に出さないだけで不安で仕方がないのだと察した。
だから、大勢で押しかけては少しでも不安が和らぐように。
中学のときのお詫びになるとは思わないが、
みんな思っていることは同じようで、何回も彼女の病室に足を運んだ。
彼女の笑顔が、好きだから……。
そんなこんなで大学生になって三か月が過ぎたころ、
水っちから「A」という言葉を聞き、幼馴染の捜索を再開した。
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作者名：星蛍 | 作成日時：2018年9月5日 23時
