某探偵社員、宮城へ。3

任務７９ ページ8

.






『…その話が本当だったとして。交渉ってどういうこと？』



｢俺は天鱗会とポートマフィアから得た情報を探偵社に流す。探偵社はポートマフィアの反対勢力と天鱗会を潰す｣



『…元々潰さなきゃいけなかった二つの勢力を、貴方の情報によってより確実に容易にって訳か』



｢そう。そして俺は晴れて自由の身だ｣



ポートマフィアの内部戦争の話は太宰から聞いていた。



そして天鱗会。



宮城に来てすぐ請け負った依頼で出会った異能力者狩りの男。社長に調べてもらった結果、その男の後ろにいたのが天鱗会だった。



天鱗会はいづれ潰さなければならない問題だったのは事実。



天鱗会を潰す予定だったのも、宮前翔也はしってたってことか。



大した情報網だ。



そもそもどうして、天鱗会を潰したいんだろうか。








『…自由の身って言ってたけど、貴方が天鱗会を潰す理由はなに？』



そう聞いた途端、首筋にナイフがあてられる。



｢……その話はするな｣



宮前翔也はどうしても知られたくない理由があるらしい。



今まで聞いたことの無い低い声で、今にも殺されそうな威圧感。



…めんどくせぇな←



『あーはいはい、すみませんね。ただ、いきなりナイフは感心しない』



｢…ちっ、悪かったよ｣



『とりあえず交渉の話は後日。今は買い出しに行かないと』



｢…そうだな｣



そしてその後、私たちはお互い口を開くことは無かった。



二人の間に、重たい空気が流れる。



学校に戻った直後、紗月と優子に根掘り葉掘り聞かれたが全て濁して何とかその場を切り抜けた。









.









.









.









『面倒なことにならないといいけど…』



私の呟きは、夕焼けに消えていく。









.









.









.









.









シリアスな展開返せって思うかもしれないけどこれだけは言わせて。



『さっきの絶対死亡フラグ！！！！！』








.

任務８０→←任務７８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す