任務93 ページ22
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『委員長!!』
時間がなかったため、玄関の扉をこじ開け正面突破する。
廊下をまっすぐ進んだ先のリビングに、委員長を床に押し付ける父親と、興味なさげに椅子に座り携帯をいじりながらタバコを吸う母親。
ーーーー全身痣だらけで涙を流す委員長の姿。
『…その手を離せ』
「あ?誰だよお前。なんでここにいる」
『委員長の友達』
戸惑うのも無理はない。鍵をかけた家に、誰かが侵入してくるなんて、普通は思わないだろう。
委員長の友達、というと、私がいるにもかかわらず父親は罵倒し始める。
「お前にも友達とかいたんだな?」
髪の毛を引っ張り上げるそいつを見て、痺れを切らした私は、思い切り父親の顎を蹴り上げた。
「う…!!」
流石にまずいと思ったのか、今まで無関心で見向きもしなかった母親が、焦って椅子から滑り落ちる。
「いや、やめて…!こっちにこないで!!」
『それは委員長が決めること…どうする?』
「とりあえず、警察…」
『ん、それが妥当だね』
委員長ならそう言うだろうと最初に警察を呼んでおいて正解だった。
気絶した父親は置いといて、母親に逃げられないように拘束する。
『動ける?ここにいる人たちは私に任せて、着替えておいで』
「ありがとう…!」
委員長は下着姿で、私は同じクラスだし同性だからマシだろうが、警察に見られたくはないだろう。
委員長の着替えを待っている間に、警察が到着した。
身柄を引き渡し、その場にいた私は事情聴取を受ける。宮城の警察のお偉いさんがまさかの社長と知り合いで、説明も楽に済んだ。
それにしても、こんなところまで知り合いがいるなんて…
社長も掴めない人だな。
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ヲタク - ハイキューと文ストどっちも大好きです!面白くて手続きが気になります(*゚∀゚*)ゆっくりでいいので更新楽しみにしています(*´꒳`*) (2023年1月8日 2時) (レス) @page27 id: b8c576bc77 (このIDを非表示/違反報告)
紅月。 - めっちゃ面白いです・・・!!更新主様のペースで頑張ってください!楽しみに待ってますー! (2021年7月30日 12時) (レス) id: 9bccb615c4 (このIDを非表示/違反報告)
ころ。(プロフ) - 続きが…ない…めっちゃ面白いです…ほんとに… (2021年6月16日 13時) (レス) id: a0f37738a1 (このIDを非表示/違反報告)
笹かま - めっちゃ好きです!!更新頑張ってください!! (2021年5月15日 22時) (レス) id: 35f14f2945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真田礼 | 作成日時:2021年2月28日 23時