任務９２ ページ21
.
それから2日後の事だった。
｢Aちゃーん、携帯鳴ってるよ？｣
部活終わり、体育館の最後の点検をしている時に及川さんにそう呼ばれる。
『あ、すいません』
体育館の端に置いてある携帯を取り、画面を見ると、
『非通知……すいません、ちょっとでてきます』
私と太宰、国木田くんは、緊急の時のため携帯を使うことを許されている。
部長である及川さんの許可を得て、体育館の外で通話ボタンを押した。
『もしもし』
｢…………助けて｣
『…!!委員長、!?』
もしもし、と声をかけると、少ししてから小さく助けて、という委員長の声が聞こえた。
声がかすれて、いつもの凛とした委員長の声ではない。
すぐに緊急事態だということがわかる。
『委員長、今いる場所だけ教えて』
｢今は…｢おい、誰にかけてる｣や、ごめんなさ｣
委員長がそう言いかけたところで電話が切れる。
……まずい。急いでいかなければ。
｢何か問題かい？｣
『……太宰か。うん、ちょっと。パソコン持ってる？』
｢もちろんさ｣
何かある事を見越していたんだろう。パソコンを手に、私に声をかけた太宰。
相手の言動、思考を読み取り次に起こることを予測する。太宰が得意だということは知っていたが、やはり驚かされる。
『ありがとう』
そう言って私は太宰のパソコンを持って体育館を飛び出した。
(ごめんね委員長…)
心の中で謝りながら、携帯の着信を元に委員長の家を探す。
(…あ、あった！こっからだと走って30分くらい…仕方ない、最短距離で行こう)
道なりに行けば間に合わないと判断し、周りを確認してから異能力を使う。
最短ルートは屋根の上。一般市民に通報されないようにできるだけ気配を消して進む。
(間に合え…！)
今はとにかく早く委員長の家に向かうのが最前。
私は全速力で走り抜けた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 532人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヲタク - ハイキューと文ストどっちも大好きです!面白くて手続きが気になります(*ﾟ∀ﾟ*)ゆっくりでいいので更新楽しみにしています(*´꒳`*) (2023年1月8日 2時) (
レス) @page27 id: b8c576bc77 (このIDを非表示/違反報告)
紅月。 - めっちゃ面白いです・・・!!更新主様のペースで頑張ってください！楽しみに待ってますー！ (2021年7月30日 12時) (レス) id: 9bccb615c4 (このIDを非表示/違反報告)
ころ。(プロフ) - 続きが…ない…めっちゃ面白いです…ほんとに… (2021年6月16日 13時) (レス) id: a0f37738a1 (このIDを非表示/違反報告)
笹かま - めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！！ (2021年5月15日 22時) (レス) id: 35f14f2945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真田礼 | 作成日時：2021年2月28日 23時
