【呪術廻戦】七海建人の憂鬱2【男主】 (ページ11)

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家族２ページ11

「全く、私の予定も聞かずに…」

地下室からの帰路、七海の車の中で2人は明日のドライブについて話し合っていた。

「ちょっと遠くまで行こうよって話をしてたんだ」

「運転するのは私ですが」

「いいでしょ？ぼくいろんなところ行ってみたい」

Aはわざとらしく目を輝かせて七海を見る。彼がこういう表情に弱いと知っているのだ。

「…どうしたんですか、表情なんか作って」

「……うぅーん」

連日虎杖と遊んだり、ドライブに誘ったりと、Aは元気を振る舞っていたが、内心では地獄での一件を気にしていた。

「結局、ぼくは灰原の真似事をしてただけなんだよ。七海が今どう思っているのか、どうすれば笑ってくれるのか…全て灰原に答えを貰ってたんだ…。

七海を騙していたような気がして、すごく…ごめんなさい……。」

助手席で背を丸めるA。七海はその背中に声をかける。

「…確かに、君から灰原を感じることが多々ありました。君は確かに彼の影響を受けています。よく米が食べたいと言っているのもそうですね。

でも、思い上がらないでください。君は灰原じゃない。君は灰原にはなれない。

君は君です。」

七海の冷たく、でも、温かい言葉。
Aは手で顔を覆い、七海の言葉で暖められた涙を流した。

＊

翌日昼

夏休みだというのにチュートリアル的な任務を充てがわれたAは非常に不快そうな顔をしていたが、虎杖達との約束の時間が近付いてくるとソワソワと元気を取り戻しだす。

「はやくセントラルパーク行こう！もう4時半だよ！」

待ち合わせは5時。七海はいつも10分前行動をしているため、実質待ち合わせまで20分しかない。

「A、お腹減っただろ？どうせアイツは車だから待たせとけばいいんだよ。なんか食ってから行こう。」

五条はいつも通りマイペースだ。
とは言え、Aも非常に空腹感を感じているのが事実。

「わかった。コンビニ行こう！はやく！」

「そんな急がなくていいって～」