初陣�� ページ26
俺は3階の廊下を探す。ライフルはいつでも撃てるように構え、日の沈んできた薄暗い廊下を懐中電灯もなしに歩き回った。
そこに奴はいた。
2-6と書かれた教室の黒板の上、壁に這うようにしてこちらを見つめている。
俺は撃った。奴は俺の必中射撃をその身に受けながらも、弱ったその体で逃げ出した。
「Freeze! I said freeze! 」(止まれ！)
呪霊にそんな事を言っても無駄というのは分かっているが、何か叫ばないとやってられない。でも、頭は久しぶりのアドレナリンに歓喜していて、俺の足はどんどん速くなった。
「七海さん！」
一階のエントランスホールまで追い詰めた時、靴箱の近くに頼れる男の姿を発見した。
七海は構える。
俺は銃口を上に撃つ。
シャンデリアが落ちる。
下敷きになった呪霊は手足をバタつかせながら、七海の斬撃を運命のようにその身へ受け入れた。
＊
「明、化け物は祓ったぞ！」
「マジすか！ 流石っすね！」
外に出ると市街地から帰ってきたのであろう新田明が待機していた。
「でも、行方不明者は見つからないままです。恐らく、もうこの世にはいないかと。」
「そうっすか…こっちも色々分かったことがあって…」
そう言って新田はいくつか説明を始めた。
1. 学校運営当時、異常な行動を起こしたのは"兄を持つ弟"ばかりであった事。
2.その異常な行動も警察沙汰になる様なものではなく、何もないところへ向かって1人で話をする等、精神の異常であった事。
3.学校建設中、兄弟の遺骨が出土、共同墓地の都合で別々の寺へ納骨されてしまった事。
「そういう訳で、つまり怪しいところはッ」
「兄弟の遺骨か」
「良いとこだけ言わないでくださいッス！」
吠える新田
「新田さん、その納骨先は…」
「もちろん、調べてあるッス！」
七海の質問に自慢げに返した新田の顔には笑顔が弾けていた。
＊
その後は兄弟の遺骨を共に供養、納骨し、高専への帰路についた。本来、呪術師の仕事は呪霊を祓うというところまでなのだという。しかし、引き受けた手前、悲しき運命を辿った兄弟の面倒を最後までみてやりたいというのが人間である。
「晩飯どうっスか？」
冷えた車内で新田が尋ねてきた
時計を見ると19:30。夕食時である。
「確かにお腹が空く頃ですね」
「ッスよね！ ハンバーガーでいいッスか？ 今めっちゃ食べたいんスよ！」
新田は俺たちの返答を聞く前にハンドルを切った
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小倉トースト山田(プロフ) - 92Uraniumさん» ご指摘ありがとうございます！一応、ジャポニスム感(欧米人にとって日中韓の違いわからないのと同じ)を出す為の表記だったのですが、分かりにくいし千葉の方は普通に不快ですよね…次回の更新時に修正させていただきます！応援ありがとうございます〜！ (2022年2月8日 17時) (
レス) id: e9009eb640 (このIDを非表示/違反報告)
92Uranium(プロフ) - すごく細かい事になってしまうんですが、プロローグの「東京の、成田という空港」というところ、成田空港って千葉にあるんですが、意図があって「東京」にしたわけでないのであれば修正されたほうがよろしいかと思います。作品自体はとても好みなので頑張ってください。 (2022年2月8日 17時) (レス) @page3 id: 30affeabb2 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - scytheさん» わーん、この系統の話好きな方このサイトであまりお見かけしないので嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2022年1月22日 9時) (レス) @page33 id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
scythe(プロフ) - めちゃくちゃ好みの作品でびっくりしました……、…、…大好きです…！！続き楽しみにしてます！！！！！ (2022年1月22日 1時) (レス) id: 5a2afd6561 (このIDを非表示/違反報告)
小倉トースト山田(プロフ) - サツキさん» 嬉しすぎるコメントです…ありがとうございます胸に刻みます… (2022年1月19日 23時) (レス) id: 4bbcb25095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小倉トースト山田 | 作成日時：2022年1月5日 18時
