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第三十三話 何で ページ40

土方side

ひゅっ、と音がして、何かが空を切る。




その”何か”は如月の頬すれすれを横切っていき、壁に突き刺さった。
如月の頬には細い切り傷ができて、ぽたぽたと血が垂れる。



その‘何か’が飛んできた方向を振り返ると、Aがゆらりと立ち上がった。

両手を広げ、手のひらを上にする。




Aの手のひらから、青白い光と冷気と共に、四角いものが現れた。
驚く暇もなくその四角いものは形を変え、針のような尖ったものになった。

それをAは渾身の力で投げ、如月の肩を貫いた。




「何してんだよッ!!」


我に返った永倉が叫ぶ。


それでもAは止まらず、もう片方の‘何か’を握り締め、如月へと歩みを進めた。




「...何で俺こんな事されなきゃいけないんですかー。」


緊迫感の感じられないその言葉。

Aは‘何か’を振りかぶり、如月の首すれすれで止める。
その手はかすかに震えていた。



「答えろ。」

「お前は何がしたかったんだ?里が憎かったのか?俺のことを殺したかっただけか?」


「...。」


「答えろッ!!」


「何で、人間なんかと手を組んだ。...何でッ、父さんと母さんを殺したッ!!」



ぽたぽたと、雫が畳に落ちる。
それはAの涙で。



「答えろよッ!!俺は、あの日からお前を、お前を殺すために生きてきたんだ!」


手だけじゃなく、身体全体を震わせて。
Aは泣いた。



「俺のことが嫌いだったんだろ...?じゃあ俺だけ殺せばよかったじゃねえか、
 何で、何で母さんや父さんを...。」


如月へ‘何か’を突きつけていた手も力なく畳へと落ち、
Aは俯いた。


俯いたまま肩を震わせるAの頭に、手が乗った。

如月の手が。


「そうだよ、俺、ずっとAが嫌いだった。
 お前が生まれてきたから、俺は期待も見向きもされなくなった。」





だから、もう終わりにしようと思って。



目が笑ってない如月の笑顔は、怖かった。

第三十四話 作成中→←第三十二話 私が


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設定タグ:薄桜鬼 , 御影   
作品ジャンル:アニメ
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何回も読みました。続きが読みたいです。 (2014年9月28日 8時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん25(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。待っていました(涙)。。。ようこちゃんさんお久しぶりです! (2014年9月28日 1時) (レス) id: 2be9d3c16a (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 良かったです。元気そうで良かった。 (2014年9月27日 15時) (レス) id: eede5b9ca7 (このIDを非表示/違反報告)
御影(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» ものすっごく返事遅れてごめんなさい!生きてます!元気です! (2014年9月27日 15時) (レス) id: cef401e7d5 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久し振りです。元気ですか? (2014年7月16日 0時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御影 | 作成日時:2013年2月22日 21時

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