狂 愛

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Aside





臣くんと綺麗な女の人を見かけた次の日

久しぶりに臣くんに会いたいって言われて



朝からシャワー浴びて髪の毛も綺麗にして

服も靴もバッグもピアスも

全部全部、臣くんの好みに合わせた



だけど、気持ちは晴れなままで

いつもなら嬉しくて仕方ないのに





「…久しぶり」


臣「可愛いじゃん、髪も服も」


「ほんと？」


臣「うん、可愛い」





可愛い、なんて何人の女の人に言ってるんだろう

いつもみたいに素直に喜べばいいのに、

今日の私、なんか可愛くない





臣「昨日なにしてたの？」


「…六本木のね、あの、駅のほうにいて」


臣「まじ？俺も昨日六本木にいた」


「…偶然だね、会いたかった」


臣「俺も」





知ってるよ、見たもん

綺麗な女の人と一緒にいたよね？



会いたかった、なんて嘘でしょ？

あの時会ってたら修羅場になってたかもだし



あの女の人、誰なの？

見てたんだよ、昨日




そう言い出せない私は、きっと臆病者

言いたいことなんて全然言えてない





臣「あ、わり、この後予定あったの忘れてたわ」


「誰と会うの？」


臣「…え？」


「…あ、なんでもない、じゃあ帰るね」


臣「ごめん、また連絡する」





誰と会うの？って聞いた時、明らかに動揺してた

ハナさんか昨日の女の人だ

直感でそう思った




マンションのエレベーターについてる鏡に映る私

涙でアイメイクが滲んで、酷い顔してる



せっかく会えたのに、話したい事いっぱいあるのに

もう充分ってくらい我慢したよ？

それでも、私は幸せになれないの？




ねえ、私は2番目なの？

それとも3番目？

それかもう、好きじゃない？





好きじゃないなら、好きじゃないって言ってよ





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