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玲於side





「…もしもし、」





オフだからひたすら寝てやる、って寝てたんだけど

さっきからブーブーうるさい俺の携帯



誰だよ、ぶっとばす、くらいに思って画面見たら

" A " の文字



急いで起き上がって電話に出た





「…え、A?」


A「…れおくん、」


「…ちょっとまって、なんで泣いてんの?」


A「…泣いてないよ、ただちょっと、話したくて」





あの時と一緒だ、初めて電話した時と

明らかに泣いてるのに泣いてないって言い張って



こんな泣くなんて臣さんのことじゃないかな、って

なんとなくだけど





「いまどこ?」


A「…マンションの下」


「自分の?…臣さんの?」


A「…臣くんの」


「…そこ動かないで、そのまま待ってて」





寝癖が酷い髪をキャップで押さえつけてマスクして

一度だけ行ったことのある、臣さんちに向かった





「A、」


A「…顔、見ないで」


「…どうして?」


A「…嫌なの、泣いてるし、メイク崩れちゃったし」


「…わかった、見ないから」





このままここにいると下手したら臣さんに会うかも

そう思ってAの手を引いてタクシーに乗せた


俺もこんな格好してるし、Aも泣いてるし

そんな理由で俺んちに戻ってきた





A「…ここって」


「俺の家。…嫌だよな、ごめん。けど何もしないから」


A「…何かしたら殴り飛ばすから」


「…何もしないからご安心ください」





そんな会話をして、少しだけ笑ったA

俺もちょっと嬉しかった





「…なんで泣いてた?」


A「…泣いてない」


「…お前その顔でよく言えたな」


A「…顔見ないって言ったくせに」


「ばか、この状況で顔見ない方がおかしいだろ」


A「…ばかって、」


「…ほら、なんで泣いてたか言え」


A「臣くんと会ってたの、でも急に予定あるの思い出したって」


「…まって、酷いかもだけどそれだけ?」


A「…それだけで泣くわけないでしょ」





そう言って軽く睨んでくるA

最近になってわかったけど、この子結構気強い





A「…昨日ね、電話切った後、見たの」


「ハナさん?」


A「…じゃなくて、全然知らない人と一緒だった」





俺らが昨日みたものを、Aも見てたんだ

だけど俺も見た、ってどうしても言えなくて



Aが帰った後も、なんだか空気が重たい気がした




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ゆらん(プロフ) - 玲亜さん» ありがとうございます、待っててください! (2018年2月25日 2時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
玲亜(プロフ) - 更新待ってます(><) (2018年2月25日 2時) (レス) id: 57fa1cde7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - しをちゃさん» ほんとですか!ありがとうございます( ; ; ) (2018年2月12日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!玲於くんが素敵過ぎて鼻血出ます(o ̄∇ ̄o)♪ (2018年2月12日 21時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - ははりんさん» はじめまして、コメントありがとうございます!! (2018年2月4日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆらん | 作成日時:2018年1月14日 19時

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