検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:80,368 hit

5.ストライク! ページ25

くすくすと笑うAに貼り付けた引きつった笑みを返し、どうしたもんかと考える。ゼンとミツヒデは、再び小声で言い合いをはじめ、木々は白雪の口元のクリームを「ついてるよ」とイケメンに拭い去っているところだった。Aはそれを気にせず優雅に食後の紅茶を飲んでいた。全く、おかしな雰囲気だ。

そろそろ、お開き、というので席から立つとAから声がかかった。


「今日は、オビさんにプレゼントがあります」

「…は」


ニヤニヤとするAに後ずさるが時既に遅し。いつの間にか席を立っていたゼン、ミツヒデ、白雪、木々に腕を掴まれたり羽交い締めにされたりと完全に身動きを取れなくさせられた。は?は!?と狼狽えているとAが席を立つ。…その手には、真っ赤なパイが。


「どうやら私のお菓子の辛さがお気に召さなかったようで…追加ですよ、オビさん。存分に味わってくださいね」

「はあ!?ちょ、ちょっとA、落ち着けってそれは流石にヤバい、っくそ動けねえし…うわ、ストップストップ」

「覚悟ー!」


ベシャッ、と勢いのいい音ともに顔面にパイを投げつけられるオビ。ゼンはそれに爆笑、ミツヒデは少々自身にかかったそれを舐めてオエっと近くにあった水を飲んだ。白雪は心配そうにしながらもくすくすと笑い、木々も珍しく口元を緩めていた。当の本人は、何が起こったか未だに把握しきれていないようだったが。

ゆっくりとオビはパイ皿ごと外すとAを睨みつける。そんな顔で睨まれても痛くも痒くも無いAはゼンと爆笑をする。何でこんな目に合わなきゃならないんだとオビは溜息をついた。口元のクリームを舐めとると確かにそれは辛い。というよりか辛味の成分のせいか顔が痛いし目が沁みる。


「何なんだよ…」

「ドッキリ大成功〜!」


楽しそうにいうAに殺意が湧いた。オビはけらけらと笑う彼女に近づくと頬を鷲掴み、皿からクリームを取った親指を口に突っ込んでやった。


「んんんんんんん!?!?!?」

「ははは、ありがとうねえA。こんなに辛くて俺は幸せだよ」

「んんっ〜〜ッッッぉえええかっら!!!!」


ついでに皿にまだクリームが残っていたのでそれを持ってぐりぐりと顔面に押し付ける。ざまあみろ、お揃いだ。


「あっはっはっはは、最高だな!」

「冗談じゃないですよ…一体何なんですか、ドッキリとか」


顔のクリームを床に落としながらオビがそう聞くとドッキリの内容をゼンがそれは楽しそうに話し始めた。

6.軽い動機と悪意と殺意→←4.感覚機能がぶっ飛んだ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
228人がお気に入り
設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あおぐ(プロフ) - コメント失礼致します。こちらの作品が大好きでもう何度も読み返しています。素敵な作品をありがとうございます…! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 1e472b0bf1 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - お久しぶりです;;;すみません今少し多忙で返信返せておりませんでした…。実はコメント頂いた日に物語読ませて頂きました(照)感想と、収まりきらない思いをメールで送らせて頂きます…! (2019年9月12日 21時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - フルリさん» そだ、調子に乗ってちぎょもオビさんの話を書きまして、あとがきでトリップガールへの思いを綴らせていただきました、すみません許可もなくm(__)m これから夏本番ですね、熱中症にお気をつけて!フルリさんの日々を応援しております* これからもよろしくお願いしますっ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 142b2f8cf6 (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - フルリさん» わああ!フルリさんーーーお久しぶりです!!めちゃくちゃ嬉しいなんて日だ!!お元気そうでよかったです(*´∀`) あらためまして、ちぎょは当たって砕けろトリップガールが本当に大好きです。長い間お疲れさまでした、完結ありがとうございます!! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 142b2f8cf6 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - かめさん» コメントありがとうございます!全部読んでいただけてとても嬉しいです!!これで小説は1度区切らせていただきますが、また何かの機会がありましたらよろしくお願いします! (2019年7月30日 13時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フルリ | 作成日時:2018年4月29日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。