逸般人(？)なポートマフィア社員

怖いよぉ、怖いよぉ？ヒグマ ページ49

？？「先程。貧血で倒れてしまって。」



「大変だね。これ、暖かい緑茶。水筒ごとあげる。」



私は自分の水筒を渡す。



？？「ありがとうございます。」



「私、猟友会の人で此処らへんで鹿やら熊やら出るからって害獣駆除を頼まれて来てるんだよね。」



？？「それは、それは、」



少しカマを掛けてみる。



「おにーさん。私が来なかったら熊に食べられちゃってたかもね。」



？？「そうかもしれませんね。」



男はなんて事ない様に言う。普通の人なら熊にくられると言われると震え上がるだろう。

恐らく、普段から死を目撃したりするのだろう。
そして、何やら熊への勝算があるからこその余裕…例えば異能力を持って居る、とか。

青白い顔、さっき少し見えた細い手首、貧血発言。
恐らく、男は殺傷能力の高い異能力を持っているのだろう。



「それでさ、おにーさん。何で此処にいるの？」


こう言う奴は、太宰君と同じで面倒くさいタイプなので単刀直入に聞いてみる。



？？「少し散歩をしようと思って外に出たのですが迷子になってしまって。」



「見たところによると海外の人っぽいけど、網走に来たのは観光？」



？？「はい、友人が網走監獄を見てみたいと言って…」



「へー。」



確かに網走に観光に来る人は大体流氷か監獄を見に行く。



「思ったけど、凄く日本語上手だね。」



？？「ありがとうございます。友人が日本人なのもあって。」



「ほぇー。本当に上手だね。」


後ろの雑木林から何か近づいてくる気配がある。


鹿？にしてもデカい気がする。

あぁ、やだ、こういう時の予想は当たるんだよなぁ。



「おにーさん。動ける？」



？？「はい、貧血も良くなって来たので。」



「後ろ、熊来てるから逃げるよ。ゆっくり。」



？？「後ろを見ないでもわかるんですね。」



「音がしたからね。」



危ない危ない。此方も疑われる所だった。

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