逸般人(？)なポートマフィア社員 (ページ42)

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彼女の思い出　2 ページ42

資金は僕の硝子細工で出た半分を持ち、携帯ゲーム等をカバンに詰めて、僕の異能力で作った硝子のナイフを腰に刺しとく。

彼女の思い人である白瀬の兄に、一週間くらい羊を出て出稼ぎをすると嘘をつき、羊を出た。

こうして、人殺しの君とクズ人間の僕の旅が始まった。

家族だと言う羊も思い出も何もかもすり鉢街に置いてミレイと二人で、薄暗く狭い世界から逃げ出した。

遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよと言って、山のハコネの方に向かっていった。

誰にも縛られないで、江ノ電の線路の上を歩いた。

これまでの事を二人話し始めた。

研究所の事、羊の事…

そして気づく

僕ら誰にも愛されたことなどなかったな。と

僕は捨て子で、ミレイは研究所に入れられていた。

他の羊の子だってそうだ。何やかんや親の愛を貰ったことがない。

そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じあってきたんだと気づく。

ふと君の手を握った。ずぶ濡れになっていたあの時の様な震えは既に無くなっていた。

時々金を盗んで、二人で逃げて、どこまでも行ける気がしたんだ。

その時は、怖いものなんか僕らにはなかった。

額の汗も、落ちたメガネも、全て気にならなかった。

彼女は言った。

ミレイ「今となっちゃどうでもいいさ、あぶれ者の小さいな逃避行だ。」

「君が何度か夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、汚くなった僕たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな？」

ミレイ「そんな夢なら捨てたよ。あれは、とうの未来だよ。」

ミレイ「だから今ある現実を見なよ。シアワセの四文字なんてなかった、今までの人生で思い知ったじゃないか。自分は何も悪くねえと誰もがきっと思ってる」

そうだ

この酸化する世界に価値などない。

人殺しなんてそこら中湧いてる。

僕だって人殺しだ。

だから…君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。

でも、それがミレイの救いにならない事だって知ってた。

￣￣￣

「まぁ、結構は政府の人に捕まる寸前で、ミレイは自_殺し、僕は捕まった。まぁ、特務課の取り調べ後に解放されたけどね。」

太宰「…」

「で、その時の遺言である"死ぬのは私だけでいいよ"という思いが、僕の死なない呪いとなった訳だ。」

太宰「私と心中したのは、異能力無効化の私でその呪いを解けて死ねると思ったから？」

「バレた？」