冗談は２次元だけにしてもらえます？ ２【沖田総悟】

第５６話 ページ18

5年前＿＿つまり今年、宇宙の遥か彼方からメネート星人という天人が漂流して、ターミナルで大規模な暴動を起こした。真選組や万事屋も応戦したんだけど、地球から追い出すことにとどまった。

その3年後、天人は江戸を征服しようと、暴動の際にターミナルで偶然見つけた化学物質をもとに開発した"赤槍(しゃくそう)"と呼ばれる殺人ウイルスを持って再来した。一部の人々が見せしめに殺され、民は赤槍の脅威に怯えひれ伏した。もともといた天人は追放、将軍も廃されて、その天人一族の独裁政権となってしまったの。

警察は天人政権にこき使われるようになって、真選組の皆とは離れ離れになってしまった。翌年真選組らが蜂起したんだけど、倒せなかった。

近藤さんや土方さん、主要人物は……反逆者として処刑されて。
総悟だけはなんとか逃げ出したんだけど、途中で追っ手に赤槍を打たれて……結局、息を引き取った。私の腕の中で。


「私は残酷な現実を受け入れられなくて、ずっと泣いてた。こんな世界、耐えられないって。ある時ふと思い立って、源外さんに頼んでタイムマシンを作ってもらって。天人にバレたら捕まるから秘密裏に。で、過去を変えるためにこの時間にやって来たというわけ」


話を聞いて、総悟と私は絶句した。


「そんな、そんなことって……」


真選組が、総悟が、死んでしまうなんて。


「5年後には、俺ァもうこの世にいねェのか……近藤さんも、土方さんも」


総悟のつぶやきに、5年後の私は黙ってうなずいた。


「ちなみにその天人が来るのは、今日この日から数えて何日後なの？」

「ほんの20日後。1ヶ月もない」

「うそ……」


もう、時間はそれほど残されていない。


「元々私がいた世界だったら、タイムマシンなんて無いから過去を変えるのは不可能。でもこの銀魂の世界だから、できる。皆を死なせるわけにはいかない。お願い、私と一緒に天人を倒して欲しい」


5年後の私は深々と頭を下げた。総悟と私は顔を見合わせたけれど、すぐに5年後の私に向き直った。


「当然、協力するよ」

「俺達がいずれたどる運命なんだろィ。それを変えられるなら、もちろんそうする」


5年後の私はぱっと顔を上げた。


「ありがとう、本当にありがとう……！」

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