サイセイチリョウ[伊丙士皇] (ページ28)

今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:3,638 hit

10話ページ28

『士皇！』

士皇「やっと捕まえた、足の速さじゃ中々捕まえられないから逃げないでよ」

『士皇！何でお兄ちゃんに教えたの！』

士皇「何でって、貴将さんじゃないと琉時は捕まえられないでしょ？」

『うぅ～～!!離して士皇！逃げるの！』

士皇「駄目、どうしても逃げるなら…」

ドンッ

士皇はクルリと体を回転させると壁に琉時を追い込んだ

士皇「ここでキスしちゃうよ？」

そう言いニコリと笑った

琉時は尚更焦る

士皇は思い立ったら直ぐに行動に移すタイプ

つまり今の言葉も本気である

『あぅ！士皇、ここCCG！こんなとこでキスなんて絶対駄目！』

士皇「逃げる琉時が悪いんだよ、タケさんも宇井特等も貴将さんも。特等2人と上等1人も動かしたんだよ？いい加減に諦めないと、ほんとにキスしちゃうよ」

琉時の顔を両手で包み顔を近付ける

『うぅ～～～～…！いじわる！今日の士皇嫌い！！』

瞬間、士皇が琉時から離れ部屋から出てきた貴将の胸に頭を預けた

有馬「士皇？琉時を捕まえていた筈だ、何故手を離している」

士皇「貴将さん……琉時が、琉時が…嫌いだって」

士皇には悪いと思ったが今の内にと思いまた逃げようとするがそれは阻止される

目の前には平子と宇井

その更に後ろには夕作

平子「琉時、見つけたぞ…ハァ」

平子が珍しく息を切らしている

それ程琉時を見つけるのに苦労したのだろう

後ろには貴将と落ちこんでいる士皇

前には平子

逃げ場は無かった

平子「琉時、話そう」

『い、嫌です…お兄ちゃん、助けてよ！』

有馬「ＮＯだ」

『夕作！』

夕作は静かに首を横に振る

彼もＮＯだ

こうなるとこの場に助けを求めれるのは1人しかいない

『こ…』

宇井はふと琉時がこちらを見ている事に気が付いた

そして

宇井「？」

『助けてぇ…こおり、お兄ちゃん……!!』

宇井のハートを琉時はいとも簡単に射抜いた

宇井「(お、お兄ちゃん！私が！？)」

戸惑う郡だったが直ぐ平子と琉時の間に入る

宇井「明日頑張ればいいじゃないですか、有馬さん。先輩も待ってあげましょうよ」

有馬「郡、射抜かれたね………」