サイセイチリョウ[伊丙士皇] (ページ24)

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6話ページ24

士皇「琉時、大丈夫？」

『頭、痛い…』

家に帰ると士皇は直ぐに琉時を布団に寝かせた

士皇「今日は母さんもいないからね…」

『けほっけほっ……』

1人で人の看病をする士皇は内心戸惑っていた

何せ看病なんてした事ない

以前母がいなかった日に琉時が熱を出した時は貴将が琉時の面倒を見に来てくれた

しかし忙しい身となった貴将にそんな事は中々出来ない

士皇は分からないなりに母や貴将がしていた看病の仕方を思い出す

士皇「(お布団に寝かせて、冷えピタ貼って、お薬飲ませて、何か食べさせて……)」

そこで士皇は思い出した

[熱を出した時はまずお粥を食べるの、食べないと元気にならないのよ]

と、確か言っていた

思い立ったら直ぐ行動

士皇はキッチンに行きお粥を作り出した

作り方はいつも母を見ていたから分かる

ご飯と一緒に水を入れ少し煮込み、程よくなったら塩を少し入れて終わり

母の行動を見ておいて良かったと思った

士皇「琉時、お粥作ったよ。食べれる？」

『……うん…』

琉時を起き上がらせる

士皇「琉時、口開けて？」

1人で食べるのが難しそうだった琉時に士皇は口を開けさせる

琉時はすんなりと食べた

士皇「まだ食べれる？」

『うん…』

琉時なりに早く回復しようと思っているのだろう

頑張ってお粥を飲み込んでいた

暫くしてようやく全てを食べ切った琉時は再び布団に寝かされた

『士皇…』

士皇「？」

『お粥、士皇が作ったの…？』

士皇「うん、そうだよ。不味かった…？」

不安そうに自分を見る士皇に一瞬琉時はキョトンとしながら答えた

『ううん、お母さんの味と似てたから。美味しかった、ありがとう、士皇』