サイセイチリョウ[伊丙士皇] (ページ20)

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2話ページ20

天真爛漫で明るい士皇に琉時は直ぐに心を開いた

士皇「琉時、隠れんぼしよ！僕がおに！」

『いいよ、私絶対見つからないからね！』

士皇「直ぐ見つけちゃうからね、琉時の事見つけるのは得意なんだから！」

『じゃあいっぱい頑張って隠れる！』

琉時がそう言い走りだしたのと同時に士皇が数を数えだす

一面に咲き誇る白い花の中を駆けながら琉時は白日庭の白い洋風の建物の中に入った

ガチャ

1つの部屋の扉を開けると貴将がいた

貴将の事は物心ついた頃から知っている

『きしょーお兄ちゃん！』

有馬「琉時」

貴将を見た琉時は抱き着き手を広げる

『抱っこ！』

有馬「あぁ」

『うふふ～、お兄ちゃん好きー！』

有馬「あぁ、俺も琉時が好きだよ」

貴将には抱っこされご機嫌な琉時だったが近くから聞こえた声に反応した

士皇「もーいーかーい！！」

士皇の声である

有馬「隠れんぼしてるの？」

『あっ！そうだった！隠れんぼなの！』

有馬「隠れる場所は決めてるの？」

『ぅ～～…あっ！』

琉時が声を出し見た先には天井裏への四角い蓋

『お兄ちゃん、あれ開けて』

貴将は琉時が考えている事が分かったのだろう

直ぐに蓋を開け琉時を天井裏の入口に上げた

『お兄ちゃん内緒だよ』

有馬「あぁ、分かってる」

士皇「もーいーかーい！！」

『もーいーよー!!』

琉時は大きく返事をし蓋を閉めた

開けられなくなった時の為に貴将は念の為下にいる

ここなら見つからない

そう思っていると扉の開く音がした

士皇「あっ！きしょーさん！」

有馬「士皇、どうした」

士皇「琉時を探してるの！」

有馬「隠れんぼか」

士皇「そう！」

士皇は貴将と話すと部屋の中を探し出した

机の下

タンスの中

クローゼットの中

しかし見つからない

士皇「何処隠れたんだろ、貴将さん知らない？」

有馬「知らないな」

琉時との約束通り貴将は隠れ場所を言わない

『(ここなら見つからないもん！)ｸｽｸｽｸｽ』

カタンッ

『えっ？』

蓋が音を立て動いた