サイセイチリョウ[伊丙士皇] (ページ14)

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12話ページ14

『もうお話してくれないんだよ？琉時、って…名前、呼んでくれないんだよ。早いしょや、って……言わない、の』

入お姉ちゃんは私の憧れただった

綺麗で強くて

喰種なんかに負ける訳ないって

なのに…

士皇「……ちょっと待ってて」

士皇はそう言い部屋から出て行った

暫くすると寝間着に着替え枕を持った士皇が戻ってきた

士皇「今日から一緒に寝る！」

『へ…？』

士皇「琉時ちゃんと眠れてないでしょ、顔見れば分かるよ」

バレていたのか

士皇「琉時が寂しがり屋なの僕知ってるんだからね」

うん

士皇「昔からよく泣いちゃうのも知ってる」

うん

士皇「人見知りなのも知ってる」

うん

士皇「貴将さんの事慕ってるのも知ってる」

うん

士皇「…僕の事大好きなのも知ってるよ」

そっか

士皇には丸分かりだったんだね

ちゃんと私の事見てくれてたんだね

ちゃんと見ててくれたのが嬉しくて

大好きで

ずっと一緒にいて欲しくて

そんな想いを込めて私は士皇に抱きついた

『私より、私の事知ってるね…！』

「当たり前じゃん！」

士皇が居てくれる

それに救われた

士皇「入さんの分まで頑張ろ？僕達は伊丙の一族なんだよ、僧頭一族や有馬一族と同じくらい強いんだよ」

伊丙一族

お姉ちゃんも私も士皇もそれを誇りに思っていた

『うん、頑張る、お姉ちゃんの分まで…！』

だから…

･

負けない！！

『士皇！赫子を！理界、足元！』

士皇「了解！」

ギィィン

ハジメ「どうしたの琉時、急にやる気になったじゃん。伊丙上等の事思い出して強くなっちゃった？」

『貴方には関係ないって言ってるでしょ…！』

ハジメ「琉時やる気だね～、でもさ……」

ヒュン

『！？』

突然赫子じゃないもので不意打ちがきた

ドッ

横腹を強く蹴られ琉時は飛ばされたがすぐさま体制を立て直し着地した

『ッ……何、今の？』

腹を気にしながら見た

ハジメが持っていたのは理界のクインケ…

『クインケ……理界、理界は！？』

ハジメ「これの事？」

ハジメが後ろ手に出したのは左目に重症を負った理界

ハジメ「クインケ無くしてからはカンタンカンタン。ボッコボコにしてやったよ。こんな風に、さっ!!」

ハジメは赫子を振るった

そしてゴトンと重いものが落ちる音がした

ハジメ「はい、伊丙上等と同じ死に方。笑い」