6 ページ7
〜五条side〜
実験用の呪霊を逃した伊地知を茶化していると、
呆然とした様子で、片手にコーヒーを持っている彼女に出会う。
「(あの子は、確か……)」
見覚えのある彼女に何故か笑みがこぼれそうになる。
そんな僕の様子を知らないというように、彼女は伊地知にコーヒーをわたす。
そして、伊地知と会話している彼女の表情に思わず胸が締め付けられる。
愛想笑いでも、その笑顔に目から離れられないでいると、彼女は僕の様子にビビったのか、俺から離れ慌てた様子で去っていく。
そんな彼女の姿が見えなくなるまでじっと見つめていると、
「あの、五条さん?どうしました??」
「……伊地知。」
僕の今の様子に伊地知は肩を震わせて、背筋を伸ばす。
「は、はい!!」
「そのコーヒーさぁ。」
「へ、あ、ハイ!どうぞ!」
理解したのか僕にコーヒーを差し出す伊地知。
「サンキュー伊地知〜。それじゃ!いこっか!」
「わ、分かりました……」
そう言って、後部座席へと入る。
車を走らせる伊地知。
僕は手に持っているコーヒーのタブに手をかけて開ける。
このコーヒーは微糖であり、僕は甘党なため飲まないほう。
だが、このコーヒーに口をつけて喉へと流し込む。
いつもなら苦いと眉を寄せるが、何故かこのコーヒーは甘く感じる。
一気に飲んだため、口端からコーヒーが腕へと垂れていく。
垂れたコーヒーを逃すまいと舌ですくい上げ、最後に空になった缶の口の部分にキスをする。
「……ごちそーさま。」
そう言ってペロリと舌なめずりをする。
まるで、味に気づいた獲物が、逃すまいと言うように……
……
『!!??うぅう!???な、なんか、、寒気が……』
急に鳥肌がたつほどの寒気がきて、肩を掴むA。
家の窓に目を向けるもちゃんと戸締りをしていることに気づき、首を傾げる。
『なんだったんだ?急な寒気、それにこの鳥肌……なんなの?』
そう言って自身の腕を見てさらに首を傾げるA。
『……なんか、嫌な予感がする……私の勘なんて当たらないし、大丈夫か!』
そう言って忘れるかのように夕飯へと取り掛かるAであった。
……
「へぇ〜イケメン恐怖症ね〜。」
「面白いと思わないかい?少し暇つぶしになりそうだと思うよ。」
「つまらなかったらいじっちゃおっかな〜」
「ふふ、いじめちゃダメだよ?……真人。」
Aにとっての、新たの驚異が近づいていた。
272人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キラキラスパー - 楽しみにしてま〜す!!! (2022年9月23日 12時) (レス) @page13 id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
トキシグレ - 初コメ失礼します!こういう系統の話ちょー好きです!五条先生と主人公がどう関わって行くのかが楽しみです!更新頑張ってください!! (2022年9月16日 0時) (レス) @page7 id: 0d4193d534 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 好きな作品だったので帰ってきてくれて嬉しいです\(^o^)/更新待ってます!! (2022年9月13日 18時) (レス) @page3 id: 8b674ee432 (このIDを非表示/違反報告)
一条夜半(プロフ) - 面白くなりそう…応援しています!頑張ってください! (2022年9月12日 22時) (レス) @page1 id: 1d0e18cd61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華生 | 作成日時:2022年9月12日 22時