女泣かせ ページ10
例えばそれが、女やったら。
可愛がってあげる。もちろん、顔か身体つきがどうかにもよるけどさあ。好みじゃなかったら、たとえ一時だけでも愛してなんかあげへんよ。選ぶ権利は、僕にある。そうやろ?
だから、男なんて論外。
『はいはいお引き取りくださいねー!』
「ま、待って下せェ!」
髪の長さや、男にしたら華奢な体。女に間違われても仕方あれへんとは自分でも思ってるし、実際間違われることも少なない。
『まだ何かありはんの?』
「いや、あの、俺ソッチ系じゃありやせんから!間違っただけですぜ!勘違いしてもらったら困らァ!」
『あー、はいはい。別に、よくある事やし気にしてへんよ。まあ、お互い今あった事は綺麗さっぱり忘れようや。』
「…ですねィ。」
『ん。おおきに。』
背中を向けて去っていった少年。にしても、どっかで見た事あるような、ないような。どうでもええか。
「あ!忘れてやした!」
少年が、大通りに出ようとした時に振り返って声を上げた。
「アンタ、志村妙って女知ってやすかィ!」
『ん?お妙ちゃんがどないしはったん?』
「俺の上司が姐さんに惚れてやしてね。その恋敵を一目見てみたいと思ったんでィ。」
『あはは、何や面倒くさそうやねえ。
じゃあ、その上司はんに伝えといてもらえる?僕はお妙ちゃんとはそんなんちゃう、って。』
「分かりやした。伝えときやす。」
『はい、じゃあ今度こそおおきに!』
「…また来やす。」
女の子付きならええよ。…なあんて。
▽▲▽
その頃、吉原───────
「ええ?!銀さんアンタ、きつねさんを見つけたのに連れてきてくれなかったのかい!」
「使えん奴じゃの。」
「あんまりな言い草だなおい!
まあでも、我が儘言うなって言ってたぜ?あの優男。他に女でも作ったんじゃねーの。」
「ちょ、ちょっと銀さん!そんな言い方しなくたっていいじゃないですか!!」
「…それはないわ。」
ハッキリと、そしてどこか哀れんだように言い切った日輪。それは、どういう意味なのか。
「駄目よ。あの人は誰か1人なんて愛せない。一度抱いた女は、もう二度と抱かないからさ。…女泣かせな、そんな男なんだよ。」
あたしは、抱いてさえもらえない。
───────『日輪のこと、抱く気にはならへん。』
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あきな(プロフ) - 面白いです!更新大変だと思いますが頑張って下さい!!応援してます!!! (2017年9月29日 21時) (レス) id: a03d3f2ed8 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 俺こうゆうの超好き!!!!!! (2016年6月18日 0時) (レス) id: 46538a2eea (このIDを非表示/違反報告)
夏凛 - めっちゃ面白いです! (2016年4月12日 1時) (レス) id: b1b68a76c0 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - え?終わり?そんなわけないですよね!更新頑張ってください! (2016年3月31日 15時) (レス) id: 131cdd29b3 (このIDを非表示/違反報告)
潮音(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください!応援してます! (2015年11月8日 19時) (レス) id: 05ac5cb1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とまと侍 | 作成日時:2015年10月21日 1時