君の想い人は私じゃないんだ 2〘瀬名泉〙 (ページ13)

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葉月が本当に共演話を断ろうとしていたのかは分からないけれども、

まさかの自分が断ろうとする前に断られるとは思ってもいなかったのか、葉月は呆気にとられたようで意識が遠のいていた

まあ、"華麗なる指揮者"と呼ばれているような天才ともしかしたら共演出来るかもしれないという上手い話を断るやつなんて、なかなかいないだろうからねぇ

…だけど、あんずにとって葉月は何かが違うんだろうなということを俺は察した

そしてTrickstarに色々と声をかけられているあんずを俺はただ静かに見つめる

あんずはTrickstarの話を一通り聞いて、瞳に強い意志を宿し、口を開いた

あんず「萌音先輩の共演話は…とても魅力的で確かにTrickstarの知名度を上げてくれるような気はする。。だけど、それと同時に萌音先輩の雰囲気にみんなが…飲み込みれてしまうんじゃないかとも思うんだ。」

あんずが言ったその言葉にTrickstarは皆、息を飲んだ

、、なるほどねぇ。確かにそれはいい着眼点だと俺は思った

葉月は主にライブ等で圧倒的な魅力を見せる。

それはアイドルとしては当たり前だけど、他のアイドルよりも強い魅力を放つ葉月は、傍から見て異常なぐらいに人の視線を集める

まるで自分だけを見てといったように、その場を支配するって言っても過言じゃないぐらいにねぇ

並大抵の魅力や実力で葉月と一緒にライブなんか立ったらもう終わり。

自分がただ葉月の引き立て役になって、何も得られなくなってしまうだけになってしまう

少なくとも、夢ノ咲の3年生ぐらいの実力で……自分の魅力を、実力を分かってなきゃ、葉月とまともにやりあえない。

そこで対等に共演出来て、お互いに素晴らしいものになるようなもの。

厳しいようだけど今のTricksterでは、まだ実力不足って感じかなぁ

ちらっと葉月を見ると、葉月は呆気にとられていたのから、あんずの話に納得したらしく、ゆっくりニコッと微笑んで見ていた

瀬名「(……この微笑みは本当になんの微笑みなわけぇ？？……でも、こういう仕草をするってことは葉月にもあんずが言ったことに心当たりがあるんだろうけどさぁ…)」

あんずは俺ら2人の様子をものとせず、自分の想い、そして観察して、推測して、Trickstarにとっていいプロデュースができるように、考えをまとめて話を続けた