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私は思ってもいなかったことに驚きながらも、この状況がどうなっているのか一瞬把握出来なくて、瀬名の後ろ姿を見つめた
A「(せ……な……、、庇って…くれたの…？)」
瀬名の後ろ姿は、頼りない背中ではなく、とても大きく見えて私を守ってくれているように見える………温かい背中だった
私を庇っている彼は、どういう表情をしているのかここからは見えないけど、萌音 をただひたすら見て私の代わりに萌音 と会話をしようと思わせるような素振りをしていた
……今まで瀬名の後ろ姿なんて、沢山見てきて、いつも頑張っていてすごいな。追いつきたいな。としか思ってなかった。
だけど、今日見た瀬名の後ろ姿はそんな気持ちになるものでは無く、困っている人を見捨てられないという人として……騎士としての心を…瀬名はもう私生活で持っているんだなと思えた
だからこそ騎士としての大きな背中にも今の私には見えた
ねぇ…月永…貴方の相棒と言えるような親友は、こんなにも立派な騎士として貴方を待っているよ
私が言えた立場じゃないけど、貴方にもこの光景を見せたかった…な
萌音 「(小声)…なるほどね、もうそこまで傷ついちゃっているんだ。言葉の選び方間違えちゃったな」
私の前に立ち塞がった瀬名に萌音 は少し驚きながらもそれを表情には出さず、なにかボソッと小声で呟き、しゃがみこんでいたのからポンポンと手を払い、ゆっくりと微笑みながら立ち上がった
彼女が小声でいったい何を言ったのかは分からない。だけど、一瞬その言葉を発した時の萌音 の表情はなんだか傷ついているような表情をしていたような気がした
A「(萌音 …？)」
彼女の表情の違和感に私は声をかけた方がいいかもしれないと思ったが、先程と同様にその声は出ることがなく消え去った
彼女は何も悪くない。今もこの状況を悪化させているのは私なのに、彼女のことを呼ぶことでさえ今はもう出来ない。
思ったより私の心は傷ついていて、彼女を傷つけないようにしたくても言葉や態度で彼女を傷つけて。
そんな自分が本当に醜くて、消えちゃいたいって思ってしまった
それが逃げだって分かっているのにも関わらず
萌音 は何事も無かったように微笑んで、また魅惑的な明るい声と表情を向けて…
萌音 「さっすが瀬名！その姿は騎士みたいでかっこいいね〜！さすがはKnights！」
と言って拍手をした
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作者名：sarai | 作成日時：2024年2月18日 2時
